介護事業は儲かるの?

介護事業は本当に儲かる?データから読み解く、主要サービスの収益性と注目される収益モデル

「介護事業は儲かるのか?」

この問いは、介護業界に参入を検討するすべての企業・経営者にとって避けては通れないテーマです。
高齢化が進み、介護保険制度という仕組みが整っている以上、介護ビジネスには安定した需要がある――。
そう考えるのは当然です。

しかし、実際に「儲かるか」と問われれば、答えは決してシンプルではありません
訪問介護や通所介護、福祉用具貸与、有料老人ホームなど、介護保険サービスの多くは、利益率が極めて低く、経営が難しい分野とされています。

ではなぜ「儲からない」のか?
そして、その中でも“例外的に収益性の高いモデル”とはどのようなものなのか?

本記事では、厚生労働省の最新調査などのデータをもとに、介護業界の主要サービスごとの利益率や収益構造を比較・分析
その上で、介護業界で注目されている「収益性の高い事業モデル」についてもご紹介します。

介護事業はなぜ「儲からない」と言われるのか?──制度と構造、そして数字が示す現実


介護保険制度の仕組みが生んだ「利益の出にくい産業構造」

介護保険制度の導入(2000年)によって、介護事業は市場として広がりました。
訪問介護、通所介護、福祉用具貸与など、制度でカバーされるサービスは多岐にわたり、一定の公的資金で収益が保証される「安定したビジネス」とも言われてきました。

しかし、その構造には重大な制約があります。

  • 価格(介護報酬)は国が一律に定め、自由な値付けができない
  • 多くのサービスが人手による提供=労働集約型ビジネス
  • 利益の大部分が人件費に消え、粗利率・営業利益率ともに低水準

つまり、高い需要があっても、構造的に利益を出しにくいモデルだということです。


過去最多の倒産件数が示す、介護業界の厳しい現実

2024年度、介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産件数は179件に達し、前年度比36.6%増と過去最多を記録しました。
中でも訪問介護の倒産が86件と全体の48%を占め、過去最多
通所・短期入所介護事業は55件、有料老人ホームは17件と、ほぼすべての主要サービスで倒産が増加しています。

さらに、同年の休廃業・解散は612件(前年比20%増)、倒産と合わせると784件(前年比24%増)に達し、
「制度に守られた業界」のはずだった介護事業が、今や事業継続の限界に直面している現実が見えてきます。


小規模事業者の淘汰が進行──“地域の担い手”が減っていく

倒産事業者のうち、資本金1,000万円未満は157件(87.7%)
従業員10人未満は149件(83.2%)と、小規模事業者の淘汰が著しい傾向にあります。

訪問介護の倒産86件のうち、93.0%が職員10人未満の事業所であり、
これはまさに地域密着型・個人経営に近い形の介護事業者が、
採算が合わずに撤退せざるを得なくなっていることを示しています。

こうした事業者の多くは、その地域で長年高齢者を支えてきた生活インフラ的存在です。
この層の消失は、単なる倒産ではなく、地域ケア体制そのものの崩壊につながりかねません。


人手不足と報酬引き下げが、経営の両輪を追い詰める

給与の少なさに嘆く介護職員

介護業界の最大の構造的課題は、慢性的な人手不足です。
厚生労働省のデータでは、2024年9月時点の介護職員の平均給与は33万8,200円
これは全産業平均より8万3,000円も低く、他業種との人材獲得競争では圧倒的に不利です。

さらに2024年度には、介護報酬のマイナス改定が実施され、特に訪問介護では基本報酬が引き下げられる事態に
報酬単価が減ったうえに、人件費・光熱費・食材費などのコストは上昇を続けており、
経営は一層厳しさを増しています。

こうした“収入は減る一方、支出は増える一方”という構図は、
もはや経営努力だけではどうにもならない局面に来ていると言えるでしょう。


このように、介護事業が儲からない理由は、経営者のスキルや工夫ではなく、「制度と構造」にあることが、明確に数字で示されています。

次のセクションでは、介護保険サービス別にそれぞれの収益構造と課題点を厚生労働省が公表するデータを用いて具体的に比較していきます。

主要な介護保険サービスの収益性を比較する

疲弊する介護職員

では、実際のデータから主要なサービスごとに利益率を見ていきたいと思います。

厚生労働省による令和5年度介護経営実態調査のデータをもとに、紐解いていきます。

訪問介護──数値上は高利益だが、実態は赤字水準の事業所も多い

厚生労働省の調査によれば、訪問介護の収支差率(営業利益率相当)は令和4年度決算時点で7.8%と、比較的高い水準を示しました。
しかし、この数値には注意が必要です。

この高利益は、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに併設された訪問介護事業所による効率的な運営が平均を押し上げた結果です。
一方で、居宅への訪問を行う地域の小規模事業者では、人件費や移動時間の負担から赤字経営が実態に近いとされています。

こうした実情を踏まえないまま、2024年度には訪問介護の基本報酬が引き下げられました。
その結果、同年の倒産件数は過去最多の86件を記録し、全介護サービスの中で最も多いという深刻な事態に発展しています。

特に倒産した訪問介護事業所の9割以上が職員10人未満の小規模事業者であり、
地域の高齢者を支えてきた“身近な存在”が次々と姿を消している現状です。

また、訪問介護は担い手が不足し、多くの訪問介護事業所ではホームヘルパーを増やすことができないため、規模を拡大できないという深刻な課題も抱えています。

通所介護(デイサービス)──利用者数に収益が直結する“量勝負”のビジネス

通所介護(いわゆるデイサービス)の収支差率はわずか1.5%
調査対象サービスの中でも、特に利益が出にくい分野です。

このサービスは、1日あたりの利用者数に応じて報酬が発生するため、定員の埋まり具合=稼働率が利益に直結します。
稼働率が落ちればすぐに赤字になるため、地域に高齢者がどれだけいて、継続して通ってもらえるかが最大のボトルネックになります。

また、デイサービスは送迎が必須である上、食事・入浴など多様な介助が必要であり、コストもかかります。
特に物価高による影響をもろに受けている光熱費、ガソリン代、食材費といった変動コストの上昇が利益を圧迫している現状。経費削減が難しい点も見逃せません。

訪問看護──高い専門性と人件費が共存する“高負荷型”事業

訪問看護の収支差率は5.9%と、介護サービスの中では高い部類に入ります。
しかしこの利益の裏には、高度な専門職の確保・維持という難しさが横たわっています。

実際、訪問看護では人件費(給与費)が74.6%を占めており、サービスの質と利益率のバランスに常に悩まされる構造です。

特に、PTやOTによるリハビリに関しては介護報酬削減が続いています。
そのため、訪問看護の対象者は重度化していく傾向が高くなり、求められる専門性も高くなり、競争も激しくなると予想されます

看護師やリハビリ職といった有資格者は採用も難しく、事業の成否が人材確保に大きく左右される点も、収益の不安定要素となっています。

福祉用具貸与──安定性と利益率はあるが、参入ハードルと競争の壁

福祉用具貸与の収支差率は6.4%と比較的良好で、収益性が高いサービスのひとつです。
介護ベッドや手すり、歩行器などを貸与し、月額で収益を上げるビジネスモデルのため、顧客の継続利用が見込めれば安定した収益が見込めます

しかし、商品の差別化が難しく、すでに地域に強い営業基盤を持つ大手事業者が存在している場合、後発が入り込むのは容易ではありません。
ケアマネジャーの信頼を得るために、介護用ベッドの自費レンタルサービスなどの価格競争も激化しています。体力のない小規模事業所が事業を継続していくことは非常に困難な状況となっています。

利益率はあるが、軌道に乗せるまでに時間がかかるタイプのビジネスといえます。

福祉用具のレンタル中心という構造も見直しが行われており、介護保険レンタル対象外の種目などが増える可能性も指摘されています。

有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)──高コスト・満床前提の高リスクモデル

最期に施設系サービスについても見てみましょう。

有料老人ホームにはいくつかの形態がありますが、介護付き有料老人ホーム(特定施設)で見ると、収支差率は2.9%と平均的です。

有料老人ホームは建物・設備・人員などに多大な初期投資が必要であり、開業段階で数千万円~数億円単位の資金がかかるケースも珍しくありません。
さらに、運営を軌道に乗せるためには、常に一定数の入居者を確保し続ける必要があります。

過疎地域など、地域によってはすでに高齢者人口が減っている地域もあるため、特養ですら空きが出ています。この状況下で、常に満床を維持していくこと非常に困難です。

高い初期リスクに対して利益率は決して高くなく、事業の成功には立地・営業・ケア品質すべてを満たすハイレベルな運営力が求められます

介護保険制度での5つの代表的なサービスについて収支差率をもとに「儲かる」事業かどうかを説明しました。

総じて簡単に儲かる事業ではないことがわかります。

人材の確保が難しく、人材の流動性が高いこともあって、介護事業運営の舵取りは極めて高難度です。もちろん、制度ビジネスでもあり、制度の方向性を見極めながら、厳格な運営基準を守り、ケアマネジャーをはじめとする地域の信頼を積み重ねることが求められます。

介護保険制度の”儲かりにくい”構造と、それを乗り越えるビジネスモデル

介護報酬は「儲けすぎると削られる」制度的な仕組みがある

介護業界のサービスは、介護保険制度に基づく「指定事業者」として運営されています。
収入の大半は介護報酬という形で支払われますが、その金額は事業者が自由に設定できるものではなく、国が一律に決めている単価によって管理されています。

そしてこの報酬単価は、3年ごとに厚生労働省が行う「介護報酬改定」で見直されます。
このとき重要になるのが、介護事業所の経営実態です。「介護事業経営実態調査」を通じて、各サービスの収支差率(≒営業利益率)や人件費率を調査し、それをもとに「報酬が適正かどうか」を判断します。

たとえば、令和4年度に訪問介護の収支差率が7.8%と比較的高かったため、令和6年度の介護報酬改定では訪問介護の基本報酬が引き下げられました
このように、「儲かっている」と見なされたサービスは“次回の報酬改定で報酬が減額される”という制度的な抑制メカニズムが働くのです。

この仕組みは、介護保険という制度が税金と保険料で成り立っている以上、「民間事業者が過度に利益を出すことは好ましくない」という財政的・政治的な価値観に基づいています。社会保障費削減は財務省の掲げる大きなテーマでもあり、今後も介護保険制度に関しての締め付けは厳しくなっていくでしょう。
この結果、努力して経営を改善しても報酬が下げられ、逆に経営が厳しい事業所ほど補助や加算がつくといった経営のインセンティブが逆転した構造になってしまっているのです。


介護リフォームは“制度の恩恵”を受けながら、“規制の外”にいる

一方で、介護保険制度の枠組みを活用しつつも、報酬規制を受けずに自由な事業展開が可能な分野も存在します。
その代表格が「住宅改修」つまり介護リフォームです。

介護リフォームは、介護保険制度において「住宅改修費の支給対象」とされています。
要支援・要介護に認定された高齢者が、手すりの取り付けや段差の解消といった工事を行う際、最大20万円までの補助が出る仕組みです。

しかし重要なのは、この工事を行う業者は「介護保険の指定事業者」である必要がないという点です。
つまり、報酬の支払いはあくまで「利用者 → 工事業者」で行われ、そこに国が設定した“報酬単価”は存在しないということです。
事業者は、制度の条件に適合した範囲であれば、自ら見積を提示し、価格を決定することができる。これが介護リフォームの最大の特徴であり、強みです。

介護保険指定事業者ではないため、制度の枠に縛られることなく、事業運営を効率することができます。
この構造が、制度の恩恵を受けながらも、制度に縛られない稀少な事業モデルを可能にしているのです。


価格競争に巻き込まれにくく、高単価でも納得されやすい構造

介護リフォームのニーズは非常に明確です。
転倒リスクを減らしたい、トイレの立ち座りを楽にしたい、お風呂を安全に使いたい――
どれも高齢者本人や家族にとって切実なニーズであり、“工事によって生活が改善すること”が目に見える点で、価格に対する納得感が非常に得られやすいのです。

また、工事は必ずしも最低価格が選ばれるわけではなく、信頼できる施工品質、介護知識を持つ担当者、書類対応の丁寧さなど、付加価値で選ばれる傾向も強くあります。介護リフォーム本舗では案件の成約率はおよそ80%。これは他の建築系工事と大きく異なる点です。

価格が自由で、しかも安売り競争に巻き込まれにくい。
このような事業構造は、現代の中小ビジネスにおいて極めて希少と言えます。


“紹介による継続性”が生まれる

介護リフォームは、基本的には「1回きりの単発工事」が中心です。
月額契約や継続課金のあるビジネスモデルではなく、「在宅で暮らし続けるために必要なタイミングで行う部分的な工事」がその本質です。

にもかかわらず、この事業が安定して成り立っているのは、利用者との関係よりも、紹介元との関係性が継続的に続くからです。

案件の多くは、ケアマネジャーや地域包括支援センター、福祉用具専門相談員などの地域の専門職ネットワークからの紹介で発生します。
制度や現場を理解し、信頼を得ている事業者には、自然と新しい案件が流れてきます――
地域の中で継続的に案件が供給される状態を築けるのです。


介護保険制度は、表面上は「全国一律の公平な制度」に見えても、その中にいる事業者には報酬規制・人員基準・利益圧縮の圧力が常にかかっています。
一方、住宅改修は、その制度に沿って動きながらも、事業者としては規制の外に立つことで、自由な価格設計と高収益の両立が可能な数少ない分野です。

これは単なる“リフォームの一形態”ではなく、介護保険制度の“外周に立つ事業戦略”として、今後ますます重要性を増す領域といえるでしょう。

未経験からでも始められる──だからこそ「フランチャイズ」という選択肢を


介護リフォームの参入ハードルは低いが、“ノウハウの差”が成果を左右する

介護リフォームは、工事の規模が比較的小さく、業種としても参入しやすいビジネスです。
特に、住宅・建築業界での経験がある企業や個人であれば、施工スキルや現場管理のノウハウをそのまま活かせる点が魅力です。

また、介護保険の「指定事業者」になる必要がないため、資格や行政手続きの煩雑さが少なく、小規模事業者でも無理なくスタートできるのも大きなメリットです。

しかし一方で、実際に成功するためには以下のような制度知識と現場対応力が求められます

  • 介護保険に関する正確な理解(申請フロー、給付対象、書類の整備など)
  • ケアマネジャーや福祉用具事業所との信頼関係の構築方法
  • 保険対応リフォームと一般リフォームの違い
  • 利用者に“選ばれる”ための営業アプローチと実績づくり

これらは独学で時間をかければ習得可能かもしれませんが、実務に即した形で体系的に学ぶ機会が乏しいのが実情です。


フランチャイズなら、制度対応・営業手法・現場ノウハウまで一気通貫

こうした課題に対し、専門フランチャイズに加盟することで、即戦力となるノウハウや支援体制を一括で得られるというメリットがあります。

たとえば「介護リフォーム本舗」では、

  • 市町村への住宅改修申請に必要な書類の作成指導
  • 大手紹介先への営業サポート
  • 基幹システムや見積作成iPadアプリなどの提供

など、単に“名前を借りる”だけではない実務に根差した支援体制が整っています。

実際、独立したばかりの職人や、異業種から参入した企業でも、1年目から月数件の受注を安定させるケースが少なくありません
これは、仕組み・ルート・信頼の蓄積の恩恵を受けることができます。

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「地域密着」と「制度理解」が求められるこの市場では、個人営業より“連携型”が有利

介護リフォーム市場は、“誰でも始められる”一方で、“誰からも選ばれるわけではない”という難しさを持ちます。

なぜなら、案件の多くはケアマネジャー・地域包括支援センター・医療機関・福祉用具専門相談員といった専門職ネットワークを通じて発生するからです。
そこでは施工技術や価格よりも、信頼・対応スピード・書類整備力・制度への理解が評価されます。

フランチャイズとして一定のブランド・実績・情報整備があることで、
こうした“専門職の信頼”を得やすくなり、結果として地域内での紹介数も安定してきます。

「地元の中小工務店」や「一人親方」が、単独でこうした専門職との関係を築くには、時間と労力がかかるのが現実です。
だからこそ、地域密着で信頼を得ることを前提にした仕組みを、あらかじめ持っているフランチャイズの価値は大きいのです。

介護リフォームは、比較的低コスト・低リスクで始められる有望な分野です。
しかし、制度への理解・紹介ルートの確保・専門職との連携という“目に見えない障壁”もあります。

フランチャイズという選択肢は、単なる看板ビジネスではなく、地域で本当に選ばれ続けるための“仕組みそのもの”を導入する方法として、今後ますます注目されていくはずです。

介護リフォームは介護保険制度下で堅実に成長を続けられる収益モデル


介護業界に対して「儲からない」「人手不足で大変」といったイメージを持つ人は少なくありません。
実際、訪問介護や通所介護といった介護保険の指定サービスでは、報酬の抑制や制度の厳格化により、黒字経営すら難しい現実があります。

しかし、それはあくまで「制度のど真ん中で戦っている事業者」の話です。
制度を理解しつつも、規制の枠外に位置する介護リフォームのような領域では、
自由度の高い価格設計と、高齢化社会という明確な市場ニーズを背景に、堅実な収益を上げることが可能です。

この分野に参入するには、専門職との連携、制度理解、現場対応力といった複数の要素が求められますが、
だからこそ、実績あるフランチャイズに参加することで“最短距離で立ち上がれる”という選択肢は、非常に現実的な戦略だといえます。

介護リフォーム本舗では、未経験者でもスムーズに立ち上がれるよう、
制度研修、書類サポート、営業資料提供、加盟店同士の情報共有など、実践に即した支援体制を整えています。

  • リフォーム業から介護分野に展開したい方
  • 地域密着の仕事で安定収入を得たい方
  • 社会貢献とビジネスの両立を実現したい方

そんな方にこそ、このビジネスは強くおすすめできます。
まずは、資料請求や説明会への参加から、一歩を踏み出してみてください。

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