若者の勤労意欲低下が示す課題
データが示す若者の意識変化
近年、若者の勤労意欲の低下が多くの経営者の懸念となっています。労働政策研究・研修機構の調査では、若者の仕事に対する考え方の変化が明らかになっています。一社志向の低下や、仕事のやりがいを重視する傾向も強まっています。
若者の職業意識の変化を示したデータは以下の通りで、「若いうちは仕事よりも自分のやりたいことを優先させたい」と考える若者が男女ともに増加していることがわかります。
独立行政法人労働政策研究・研修機構調査 大都市の若者の就業行動と意識の変容 ―「第5回 若者のワークスタイル調査」から―
さらに、パーソル総合研究所の調査によれば、20代社員の多くが「転職」をキャリア成長の一環と捉え、特に独立志向や起業意向が高まっています。成長志向が強く、仕事選びでは「知識やスキルが得られること」や「社会に貢献できること」を重視していることがわかります。これは、若者が従来の雇用形態にこだわらず、自分の成長や価値を追求していることを示しています。
パーソル総合研究所調査「働く10,000人 成長実態調査2022」
若手社員がやりがいを感じているか
こうしたデータを踏まえ、経営者の皆様に問いかけます。
- 自社の若手社員は、仕事に「やりがい」を感じているでしょうか?
- 感謝や成長の実感を得られる環境を提供できているでしょうか?
- 価値観が変化する中で、若者のモチベーションを引き出す工夫をしているでしょうか?
これらの問いは、社員の勤労意欲低下に対応するために必要な視点です。
もちろん、この傾向は若者だけにとどまりません。全体的に仕事にやりがいを求める傾向はますます強くなっています。多くの人が、成長が実感でき、社会に貢献できる仕事を求めているのです。
やりがいを生む「感謝される仕事」シニアビジネス
感謝が直接伝わる仕事の力
社員が仕事でやりがいを感じるためには、自分の仕事が他者にどのような影響を与えているかを実感する機会が重要です。その点で、シニアビジネスは大きな可能性を秘めています。
高齢者やその家族から直接感謝の言葉を受け取ることができ、利用者からの「ありがとう」という言葉が、社員のやりがいにつながります。
感謝がもたらす自己肯定感と成長
感謝される体験は、社員の自己肯定感を高め、仕事への満足度を向上させます。また、「自分の仕事が誰かの役に立っている」という実感は、「成長」や「意義」を感じられる機会となり、やりがいを持続させる重要な要素となります。
そこにビジネスを超えた価値が生まれることが実感できるのです。
シニアマーケットの拡大と持続可能なビジネスモデル
高齢化社会が生む新たなニーズ
日本の高齢化は今後も加速し、2040年には人口の約4割が65歳以上となる見込みです。この変化により、「住み慣れた家で暮らし続けたい」という高齢者のニーズがますます高まります。そのため、介護リフォームの需要は今後も増加が予想され、シニアビジネスは持続可能な成長が見込まれる分野です。
地域密着型ビジネスの強み
私たち介護リフォーム本舗が提供する介護リフォームは地域密着型ビジネスとしての特性も持っています。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所、介護サービス事業者や地域住民と信頼関係を築くことでリピート依頼が増え、新規の顧客獲得も期待できます。こうした地域との強い結びつきは、企業にとって長期的な競争優位性をもたらし、社員にとっては「地域に貢献している」というさらなるやりがいを提供します。
介護リフォーム本舗では異業種参入も多く、介護リフォーム事業を通じて地域とのつながりを作り、本体事業とのシナジー効果を得る事例も多いです。
やりがいを感じる環境を提供するシニアビジネスの未来
現代の若者は、目に見える報酬や役職より、成長や感謝といった目に見えないものに価値を求め、モチベーションとする傾向が強くあります。シニアビジネスは、社員がこれらを実感できる環境を提供し、やりがいを持って働ける場として注目されています。若者の勤労意欲低下が問題視される中で、この分野に参入することは、企業の持続可能な成長と社員の幸福感向上を両立させる有効な戦略となるでしょう。