外壁塗装FCと介護リフォームFCは、どちらも住宅に関わるフランチャイズです。しかし、経営の中身は大きく違います。
外壁塗装FCは、外壁や屋根のメンテナンス需要を取り込む事業です。案件単価が比較的大きく、営業力や施工体制を整えられれば、地域で存在感を出しやすい分野です。一方で、塗料、シンナー、養生材、プラスチック製品など、石油化学製品に関わる資材の影響を受けやすい側面があります。
特に2026年春以降は、中東情勢の緊迫化を背景に、ナフサを基礎原材料とする塗料・シンナー製品の価格高騰や調達難が目立っています。日本塗装工業会は2026年4月16日、シンナー、塗料、副資材の供給不安と価格高騰を受け、国土交通省に緊急要望を提出しました。塗料メーカー側でも、原材料価格や物流費の上昇、供給数量の制限、サーチャージ導入などが案内されています。
参照:日本塗装工業会「中東情勢に伴う塗料原材料の安定供給及び価格高騰に関する緊急要望」
この状況で考えたいのは、「外壁塗装FCの価値」という話ではありません。むしろ、外壁塗装は建物を守るために必要な仕事です。ただし、新規事業としてFC加盟を検討するなら、原材料価格・在庫・工期・価格転嫁のリスクまで含めて比較する必要があります。
そこで本記事では、外壁塗装FCと介護リフォームFCを、経営目線で比較します。
外壁塗装FCと介護リフォームFCは、同じ住宅系でも収益構造が違います
結論から言うと、外壁塗装FCは「大きな工事単価と営業力」で伸ばす事業、介護リフォームFCは「地域の継続需要と専門性」で積み上げる事業です。
どちらが優れているかではなく、自社の人員、営業導線、既存顧客、資材調達力、地域での関係性によって向き不向きが変わります。
外壁塗装FCは、戸建て住宅の外壁・屋根の改修需要を取り込むビジネスです。チラシ、Web広告、訪問、紹介、ショールームなど、集客と営業の設計が重要になります。塗装工事は工事単価が大きくなりやすいため、受注できたときの売上インパクトがあります。
一方で、介護リフォームFCは、介護保険住宅改修を中心に、高齢者の自宅の住環境を改善する事業です。介護リフォーム本舗では、手すりの取付や段差解消などの小規模工事を中心に扱います。利用者本人や家族だけでなく、ケアマネジャー、介護事業者、地域包括支援センターなどとの関係づくりが重要になります。
外壁塗装は「住まいのメンテナンス」を支える仕事です。介護リフォームは「住み慣れた自宅で暮らし続けること」を支える仕事です。同じ住宅関連でも、顧客の悩み、紹介経路、工事の大きさ、必要な専門性が違います。

中東情勢とナフサ高騰で、外壁塗装まわりの経営環境は厳しさを増しています
結論として、2026年時点の外壁塗装FCは、資材価格と供給面のリスクを以前より慎重に見る必要があります。
理由は、塗料やシンナーの多くが、原油・ナフサを起点とする石油化学製品の影響を受けるからです。中東情勢が緊迫すると、原油やナフサの調達、物流、価格に影響が出ます。その影響は、塗料メーカー、販売店、施工会社、最終的には施主の見積価格まで波及します。
実際に、2026年4月には日本塗装工業会が、塗料・シンナー・副資材の供給確保や価格変更、工期延長への配慮を求める緊急要望を出しています。リフォーム産業新聞でも、日本ペイントが2026年6月1日出荷分から塗料類全般と直送運賃を改定し、溶剤系塗料、水性塗料の値上げ幅が案内されたと報じられています。
外壁塗装業者にとって問題になるのは、単に「材料が高くなる」だけではありません。
見積提出から契約までの間に材料価格が変わる可能性があります。契約後に資材が入らず、工事開始日が遅れる可能性があります。価格を転嫁しきれない場合、粗利が削られます。さらに、競合が旧価格の見積を出している場合、受注競争で不利になる場面もあります。
外壁塗装FCを検討する場合は、本部のブランド力や営業支援だけでなく、材料調達、価格改定時の見積ルール、工期遅延時の対応、加盟店への情報提供体制まで確認することが重要です。
比較すべき5つの判断軸
結論として、外壁塗装FCと介護リフォームFCを比べるときは、加盟金やロイヤリティだけで判断しない方がよいです。事業の安定性は、売上単価だけでは決まりません。
1. 原材料価格と在庫リスク
外壁塗装FCは、塗料、シンナー、下地材、養生材などの資材が工事品質と粗利に直結します。資材価格が上がると、見積価格、利益率、工期に影響します。現在のようにナフサ由来製品の調達が不安定な局面では、材料の確保そのものが経営課題になります。
介護リフォームFCでも資材は必要です。手すり、金物、建材、床材などの価格変動はあります。ただし、介護保険住宅改修で扱う工事は比較的小規模で、外壁全面塗装のように大量の塗料を継続的に使う構造とは異なります。もちろん、ユニットバス交換やトイレの便器交換など、影響を受ける工事内容もあります。ただ、中心となっているのが手すり取付であり、現時点では部材価格の上昇は年々みられるものの利益率や工期などには大きな影響を受けていません。資材リスクの種類が違う点を見ておく必要があります。
2. 案件獲得ルート
外壁塗装FCは、Web広告、チラシ、ポータルサイト、訪問、紹介など、一般消費者向けの集客が中心になりやすいです。見積比較になりやすく、価格・施工実績・口コミ・営業対応が受注を左右します。
介護リフォームFCは、利用者本人や家族から直接相談されるだけでなく、ケアマネジャーや介護事業者との関係が案件獲得の軸になります。介護保険住宅改修では、必要性の説明や書類対応、利用者の身体状況への理解が求められます。価格だけでなく、信頼と対応品質が選ばれる理由になります。
3. 工期と人員体制
外壁塗装は、天候、足場、職人手配、材料在庫、近隣対応など、工期管理の変数が多い工事です。一定規模の売上を作りやすい一方で、現場管理の負荷もあります。
介護リフォームは、小規模工事が中心です。手すりの取付や段差解消など、短期間で完了する工事も多くあります。ただし、利用者の身体状況、介護保険制度、理由書、ケアマネジャーとの連携など、一般リフォームとは別の知識が必要です。施工力だけではなく、制度理解と丁寧な対応が大切になります。
4. 既存事業との相性
外壁塗装FCは、すでに塗装職人や外装工事のネットワークがある会社と相性があります。営業・施工・アフター対応を一体で管理できる会社には向いています。
介護リフォームFCは、工務店、リフォーム会社、設備会社、建設業、福祉用具事業者などと相性があります。既存の施工力を生かしながら、地域の高齢者支援という新しい導線を作れます。大規模な店舗を構えず、少人数で始めやすい点も検討材料になります。
5. 地域での継続性
外壁塗装は、住宅のメンテナンス周期に応じた需要があります。ただし、一度工事をすると次回までの期間が長く、継続接点をどう作るかが課題になります。
介護リフォームは、高齢化、在宅介護、介護人材不足、バリアフリー化の流れと関係します。地域包括ケアシステムという在宅重視の流れやバリアフリー化の不足、転倒リスクは大きな追い風となります。地域でケアマネジャーや介護事業者との関係を作れれば、単発工事だけでなく、継続的な相談につながる可能性があります。

介護リフォームFCは、外壁塗装業者・工務店の次の柱になり得ます
結論として、外壁塗装やリフォーム業の経験がある会社にとって、介護リフォームFCは「既存の施工力を別の需要に生かす」選択肢になります。
外壁塗装は外装の専門性が強い事業です。一方で、介護リフォームは室内外の小規模改修、手すり、段差、床、出入口など、暮らしに近い工事を扱います。すでに現場管理、職人手配、住宅の構造理解、見積作成の経験がある会社であれば、介護リフォームの知識を加えることで、事業領域を広げやすくなります。
もちろん、介護リフォームは「簡単な小工事」ではありません。利用者の身体状況、家族の不安、ケアマネジャーの視点、介護保険制度、自治体ごとの運用、書類対応を理解する必要があります。ここを自己流で始めると、営業先の作り方や制度対応でつまずきやすくなります。
介護リフォーム本舗では、公式サイト上で、5日間の開業前研修、開業時集中サポート、専任スーパーバイザーによる受注の仕組みづくり、サポートセンター、オリジナルのオペレーションマニュアルなどを案内しています。未経験から参入する場合でも、制度、営業、現地調査、工事時の注意点を段階的に学べる体制を確認できます。
外壁塗装FCが「塗装ブランド・集客・営業ノウハウ」を得る選択肢だとすれば、介護リフォームFCは「介護保険住宅改修の専門ノウハウ・地域連携・小規模工事の運営体制」を得る選択肢です。
外壁塗装FCと介護リフォームFCの比較表
結論として、短期の売上規模を狙うなら外壁塗装FC、地域密着の継続導線を作りたいなら介護リフォームFCが検討候補になります。
| 比較項目 | 外壁塗装FC | 介護リフォームFC |
|---|---|---|
| 主な工事 | 外壁塗装、屋根塗装、防水、外装メンテナンス | 手すり取付、段差解消、床材変更、出入口改修など |
| 顧客の悩み | 外壁劣化、雨漏り不安、美観、資産価値維持 | 転倒予防、移動負担、在宅介護、家族の不安 |
| 案件獲得 | 広告、比較サイト、訪問、紹介、既存顧客 | ケアマネジャー、介護事業者、家族、地域相談 |
| 単価感 | 比較的大きくなりやすい | 小規模工事が中心 |
| 原材料リスク | 塗料、シンナー、副資材の価格・供給影響を受けやすい | 建材価格の影響はあるが、塗料大量使用型とは構造が異なる |
| 工期リスク | 天候、足場、資材、職人手配の影響が大きい | 小規模短期工事が中心だが、制度・書類対応が必要 |
| 差別化要素 | 施工品質、アフター対応、価格、営業力、地域実績 | 制度理解、対応品質、地域連携、利用者視点 |
| 既存事業との相性 | 塗装業、外装業、リフォーム会社 | 工務店、リフォーム会社、設備業、建設業、福祉用具関連 |
外壁塗装FCは、事業としての魅力がある一方で、現在は原材料と供給の不確実性を無視できません。介護リフォームFCは、工事単価だけを見ると外壁塗装より小さく見えるかもしれませんが、地域の高齢者支援と結びついた需要を作れる点が特徴です。

どちらを選ぶべきかは、自社が抱える課題で変わります
結論として、外壁塗装FCと介護リフォームFCの選び方は、自社が何に困っているかで変わります。
すでに塗装職人や外装工事のネットワークがあり、材料調達や価格改定に対応できる体制があるなら、外壁塗装FCは検討余地があります。ブランド、営業支援、見積システム、施工品質管理、アフター対応が自社に合うかを確認してください。
一方で、資材価格の変動に振り回されにくい新規事業を探している、地域の紹介導線を作りたい、小規模工事を継続的に受けたい、既存の施工力を高齢者支援に生かしたいという会社は、介護リフォームFCを検討する価値があります。
特に、外壁塗装や一般リフォームだけに依存している会社は、価格競争と原材料高騰の両方にさらされやすくなります。これからの経営では、「大きな工事を取る力」と「地域で継続相談を受ける力」の両方を持つことが重要になります。
介護リフォームは、建物をきれいにする仕事ではなく、暮らしを続けるための住環境を整える仕事です。高齢者本人、家族、ケアマネジャー、介護事業者の不安に向き合うため、地域での信頼づくりがそのまま事業の土台になります。
まずは介護リフォームFCの条件を確認してください
外壁塗装FCと介護リフォームFCは、同じ住宅関連でも、必要な資源とリスクが違います。中東情勢やナフサ高騰によって、塗料・シンナー・副資材の価格や供給が不安定になっている今こそ、事業の柱を複数持つ意味は大きくなっています。
介護リフォーム本舗は、介護保険住宅改修に特化したフランチャイズです。手すりの取付や段差解消など、高齢者の在宅生活に直結する小規模工事を扱い、未経験からでも学べる研修・サポート体制を用意しています。
外壁塗装やリフォーム事業の次の柱を検討している方は、まずは資料請求またはオンライン説明会で、加盟条件、開業までの流れ、研修内容、収益モデル、営業支援の内容を確認してください。自社エリアでどのような展開ができるかを、具体的に整理することから始められます。








