
建設業の人手不足倒産が増えているのは、仕事はあるのに人が足りず、受注しても現場を回せないまま人件費や外注費が膨らみ、「利益なき繁忙」に陥る会社が増えているからです。帝国データバンクによると、2025年上半期の人手不足倒産は202件で上半期として2年連続の過去最多となり、そのうち建設業が54件と最多でした。人を増やせない中小建設会社が経営を守るには、採用や働き方改革に加えて、少ない人数でも利益を残せる事業を柱として持つことが現実的な選択肢になります。
職人の高齢化、人件費の高騰、若手不足。どの企業も人を増やす努力を続けていますが、それだけでは限界が見えてきました。この記事では、建設業の人手不足倒産の実態と背景をデータで読み解き、人を増やさずに収益を上げる別事業という選択肢を紹介します。
建設業の人手不足倒産は、どれくらい増えているのか?
帝国データバンクによると、2025年上半期の人手不足倒産は202件で、建設業が54件と最多でした。2024年通年でも建設業が最多の業種で、構造的な問題になっています。

2025年、建設業界では「人手不足倒産」という言葉が現実の経営課題として広がっています。
帝国データバンクの最新調査によると、2025年上半期(1~6月)に発生した人手不足倒産は202件にのぼり、前年の182件から20件増加。上半期としては2年連続で過去最多を更新しました。
その内訳を見ると、最も多かったのが建設業の54件。次いで物流業が28件となり、いずれも「2024年問題」で注目された業種です。とくに建設業は、職人の高齢化や若手不足、長時間労働の是正といった複数の要因が同時に進行し、“現場を維持できない”ことが直接的な倒産要因になっています。
帝国データバンクの報告によれば、2024年4月から適用された時間外労働の上限規制によって、次のような悪循環が広がっています。
- 熟練職人の時間外作業が制限され、現場が回らなくなる
- 追加人員を確保できず工期が遅延する
- 人件費や外注費が増加し、資金繰りが急速に悪化する
前年も、建設業は人手不足倒産が最も多い業種でした。建設業の人手不足倒産数99件は、それに次ぐ物流業界46件の倍以上であり、構造的な問題であることがわかります。リフォーム業界の倒産動向は、リフォーム会社の倒産件数とその原因で詳しく解説しています。
現場ごとに人手が必要な建設業では、労働力の減少がそのまま生産力の低下と売上の減少につながります。機械化や自動化が進みにくい業種であるため、人材を確保できなければ事業そのものが成り立ちにくくなります。
こうした状況は、中小・零細企業ほど深刻です。大手ゼネコンは資金力を背景に外注費や人件費の上昇に対応できますが、下請け・孫請け企業は単価交渉が難しく、値上げ分を吸収できません。その結果、「受注はあるのに利益が出ない」という構造的な赤字に陥りやすくなっています。
さらに、人員不足を補うための外注依存が進み、固定費と変動費のバランスが崩れています。原価率が上がる一方で、資材費の高騰や支払いサイトの長期化が重なり、キャッシュフローが持たずに倒産するケースも増えています。2025年上半期のデータは、一時的な景気変動ではなく、人手不足が経営リスクを直接引き起こす構造的な問題であることを示しています。
なぜ建設業の人手不足は深刻化しているのか?
職人の高齢化と若手不足、人件費の上昇を価格に転嫁できないこと、離職率の高さの3つが連動しているためです。人手不足は単なる「採用難」ではなく、業界構造そのものの問題です。
① 職人の高齢化と若手不足——担い手が減り続ける業界
建設業の就業者数は、1997年の685万人をピークに減少が続き、2022年には479万人まで落ち込みました。この25年間で200万人以上が業界から離れたことになります。

背景には、若手の入職の減少とベテランの高齢化が同時に進んでいることがあります。厚生労働省の統計によると、建設業就業者のうち60歳以上が4分の1以上を占める一方、29歳以下は約1割です。職人の高齢化がリフォーム業界に与える影響は、職人の高齢化とリフォーム業界の人材危機で詳しく解説しています。
若手が入らず、熟練職人が引退していく構図は、今後さらに進むと予測されています。技能の継承が追いつかず、「現場はあるが動かせる人がいない」という企業が増えています。若手が定着しない背景は、建設業の離職率と若手が育たない事情で取り上げています。
② 人件費の高騰と価格転嫁の難しさ——受注しても利益が出ない
人材を確保するには賃金を上げざるを得ませんが、そのコスト増を価格に転嫁できないのが中小建設業の現実です。
厚生労働省の発表によると、2025年度の最低賃金は全国平均1,118円に引き上げられ、前年より63円高い過去最大の上げ幅となりました。一方で、下請け企業の受注単価は大手ゼネコンや発注元の見積り基準に縛られ、柔軟な価格調整が難しいのが実情です。
その結果、「売上は変わらないのに人件費だけが上がる」構造が生まれます。小規模な業者ほど利益を削って職人をつなぎとめるしかなく、経営体力を消耗しやすくなります。この「利益なき繁忙」が資金繰りを悪化させ、倒産を引き起こす大きな要因になっています。適正な労務費の確保に向けた制度の動きは、改正建設業法と標準労務費で解説しています。
③ 離職率の高さと定着の難しさ——人を採っても続かない

採用に成功しても定着しないことは、多くの建設会社が抱える深刻な悩みです。国土交通省のデータによると、建設業の新卒入職者の3年以内離職率は、高卒で約5割、大卒で約3割と高い水準で、製造業と比べると高卒者で約15ポイント高くなっています。
長時間労働、休日の少なさ、現場の過酷さといった労働環境が、若年層の価値観と合わないことが主な原因とされます。せっかく採用しても1〜2年で離職してしまうケースは少なくありません。
その結果、育成コストが回収できず、人手不足が続く悪循環が生まれます。とくに中小規模の工務店や専門工事業者では、限られたスタッフで現場を回しているため、一人が抜けるだけで事業全体が止まるリスクを抱える企業も少なくありません。こうした事態に備える考え方は、建設業のBCP(事業継続計画)で紹介しています。
これら3つの要因は互いに連動しており、「高齢化による人手減少→賃金上昇→離職増加→採用難」というサイクルができています。単発の対策では対応しきれず、経営構造そのものを見直す時期に来ているといえます。
仕事はあるのに、なぜ会社が苦しくなるのか?
需要は回復しているのに働き手が減っているため、受注しても回しきれず、売上の機会損失や納期遅延、外注費の増加が利益を圧迫するからです。
国土交通省の「建設業を巡る現状と課題」によると、建設投資額は1990年代に一時低迷したものの、近年は回復傾向にあり、2022年には約67兆円まで増加しました。民間投資・公共工事の両面で需要は戻ってきています。

一方で、就業者数は1997年の685万人から2022年には479万人まで減り、30%近い人員が失われた計算になります。需要は増え、供給は減るという逆転した構造ができあがっています。
現場では「仕事は取れるのに人がいない」「見積りを出しても対応できない」といった声が相次ぎ、次のような経営リスクが表面化しています。
- 案件を受けきれず売上機会を逃す
- 納期遅延による違約金や信用の低下
- 職人への過重労働による離職の加速

特に中小・零細企業では、人手不足が売上を制限する要因になっています。本来なら受注を拡大できる状況でも、施工力が足りないために成長が止まり、固定費や借入返済だけが重くのしかかります。人手不足倒産の本質は、「仕事がないから倒れる」のではなく、「仕事をこなせないから倒れる」ことにあります。
さらに、人手不足を補うために外注比率を上げる企業が増えましたが、外注費の上昇は原価を直撃します。資材価格の高止まりや燃料費の上昇も加わり、「受注が増えるほど赤字が膨らむ」という矛盾が生じている企業もあります。
少子高齢化で労働力人口そのものが減っていくなか、「人を増やして解決する」という発想だけでは通用しにくくなっています。安定経営を続けるには、採用や育成に加えて、人が少なくても回せる経営構造をどうつくるかが鍵になります。
採用強化や働き方改革、DXで人手不足は解消できるのか?
どれも方向性は正しいものの、人を増やすことを前提にした対策のため、中小企業では効果が出にくいのが現実です。
① 採用強化——求人を出しても人が来ない
多くの中小建設会社がまず取り組むのが採用強化です。若手や女性、高齢者、外国人材などに対象を広げて求人を出す企業も少なくありません。しかし、ハローワークに求人を出しても応募がない、転職サイトに広告を出しても問い合わせが数件にとどまる、採用できても数カ月で辞めてしまうといったケースも多いのが現実です。
全国的に労働人口が減るなか、建設業だけでなく全産業で人材の奪い合いが起きており、求人を出せば人が来るという時代ではなくなっています。採用にコストをかけても結果が伴わず、「広告費だけがかさんで現場の穴は埋まらない」という声も増えています。
② 労働環境の改善——理想と現場のギャップ
国土交通省は「建設業の働き方改革加速化プログラム」を推進し、週休2日制(4週8休)の導入や長時間労働の是正を業界全体に求めています。一部の大手ゼネコンや元請け企業では取り組みが進んでいますが、下請け・中小企業ではまだ難しいのが現状です。
理由は、「人が足りないのに休みを増やせない」からです。現場を止めれば収益が下がるため、休日を増やすことがそのまま経営リスクになります。少人数の中小企業にとっては、人手の確保と働き方改革が両立しにくい関係にあり、若手は敬遠し、ベテランは疲弊するという悪循環が続いています。
③ DX・デジタル化——導入が進まない中小企業
人手不足を補う解決策として、国や自治体は建設DXを推進しています。ICT建機、3Dスキャン、BIM/CIM、施工管理アプリなど、技術革新が進む分野です。しかし、帝国データバンクの「2025年度 設備投資意識調査」によると、中小企業のDX投資への関心度は大企業より10ポイント以上低い結果でした。
「導入コストが高い」「社内にIT人材がいない」「使いこなせない」。デジタル化の必要性はわかっていても、時間と費用の壁があり、日々の現場を回すだけで精一杯の中小企業には、「DXの前に人手がいない」という現実があります。生成AIを使った業務効率化の可能性は、リフォーム業界の生成AI活用で紹介しています。
④ 対策を重ねても人手不足が解消しない理由
採用・労働環境・DXに共通しているのは、「人を増やすこと」を前提にしている点です。しかし、今の建設業界は人を増やしたくても増やせない構造にあります。採用が難しく、教育にも時間がかかり、DXを進める余裕もありません。いま求められているのは、少ない人数でも安定して回せる事業構造を持つことです。
人を増やさずに収益を上げるには、どうすればよいか?
専従1名程度で完結し、短工期で需要が安定しやすい事業を柱に加え、今の人員規模で利益を残せる構造にすることです。「人を増やす」経営から、「人を活かす」経営への転換といえます。
「少人数でも回せる事業」を持つという発想
その一つとして注目されているのが、介護リフォーム事業です。建設業の経験や施工技術をそのまま生かせる一方で、一般的な住宅リフォームよりも少ない人数・短い工期で運営できるのが特徴です。
たとえば、手すりの取り付けや段差の解消、浴室・トイレの改修といった工事は、1件あたりの作業時間が短く、専従スタッフ1名でも完結できる規模です。施工単価も比較的安定しており、少人数体制でも利益を出しやすい事業モデルです。
高齢化の進行に伴い、今後も需要の拡大が見込まれる市場であり、介護保険の住宅改修制度に支えられた公共性もあります。受注の波をならす新しい柱になり得ます。新規事業の考え方や始め方は、建設業の新規事業の選び方で詳しく紹介しています。
多角化のメリットと進め方は、リフォーム会社の経営に必要な多角化も参考になります。
「一人で回せる」ことが意味する経営上の強み
介護リフォーム事業の特徴は、人手を大きく増やさずに始められることです。専従となるスタッフ1名は必要ですが、次の点で既存事業と両立しやすいモデルです。
- 大がかりな現場チームを組む必要がない
- 設備投資が少なく、初期リスクが小さい
- 営業や集客の仕組みが整えば、案件を安定して回しやすい
新築や一般的なリフォーム事業は、人がいなければ回らない業態です。一方、介護リフォームは一人からでも収益を積み上げられる身軽な事業で、職人を抱えられずに苦しむ会社でも、手の届く範囲で収益を生む仕組みをつくれます。
「人手ゼロでもできる」わけではない
誤解のないように言えば、介護リフォームは人手ゼロでできる事業ではなく、必要最低限の人員で成り立つ事業です。現場の職人や社員を追加で雇うことなく、既存人員の中から専従を一人立て、その一人が安定して回せるように仕組みとサポートを整えます。現場経験を持つ企業ほど、この分野で強みを発揮しやすくなります。
介護リフォーム本舗のフランチャイズは、省人経営にどう役立つのか?
専従1名から始められる事業設計と、営業・制度・施工に関する本部の支援により、今の人員規模のまま新しい収益の柱をつくりやすくなります。介護リフォーム本舗は、建設・リフォーム業を営む企業が、培ってきた技術力や現場経験を生かして介護リフォーム市場へ参入できるよう設計されたフランチャイズです。

「1名専従」から始められる事業設計
介護リフォーム本舗のフランチャイズでは、専従スタッフ1名から運営を始められます。施工経験のある職人であれば、特別な資格は必要ありません。工期が短く軽作業が中心のため、体力的な負担も比較的少なく、「大規模な現場を抱える余裕はない」「社員を増やすのは不安」という中小建設会社でも、既存人員の範囲で新事業を回しやすいモデルです。
営業や集客についても、本部がブランド力とウェブ集客のノウハウを生かして、地域での見込み客の獲得を支援します。
需要が比較的安定している
介護リフォーム市場は、少子高齢化が進む日本で今後も拡大が見込まれる分野です。手すりの取り付けや段差解消、浴室・トイレの改修といった工事は、介護保険の住宅改修制度で費用の一部が給付されます。
そのため、一般的な住宅リフォームに比べて顧客の支払い負担が軽く、受注が安定しやすいのが特徴です。地域密着型の小工事を積み重ねて収益を上げるため、景気の波の影響を比較的受けにくく、人員が限られていても利益を確保しやすい市場です。
本部の支援で、未経験分野でも始めやすい
「介護リフォームはやったことがない」「介護保険の手続きが難しそう」という不安に対して、介護リフォーム本舗では次のような研修とサポートを用意しています。
- 施工内容や現場管理の技術研修
- 介護保険制度や見積書作成の実務講座
- 営業同行やスーパーバイザーへの相談などの支援
開業時だけでなく運営中も継続的にサポートを受けられるため、建設業からの多角化として始めやすい環境です。介護リフォーム本舗の取り組みは、動画でも紹介しています。
よくある質問
まとめ|人を増やせなくても経営を止めないために
建設業の人手不足倒産は、職人の高齢化、人件費の上昇と価格転嫁の難しさ、離職率の高さが連動し、仕事はあるのに回せない「利益なき繁忙」から生まれています。採用強化や働き方改革、DXはどれも必要な取り組みですが、人を増やすことを前提にしているため、中小企業ではそれだけで解消するのは簡単ではありません。
同じ建設の分野にも、少人数で続けられる事業はあります。今の人員規模のまま利益を残せる事業を柱に加えることは、人手不足倒産に備える現実的な方法の一つです。介護リフォーム本舗のフランチャイズは施工経験者1名から始められます。関心のある方は、まず資料で事業の仕組みとサポート内容を確認してみてください。
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