【ユニットバス受注停止!?】ナフサ不足で深刻化、リフォーム業界の不安

2026年4月13日、TOTOがシステムバス・ユニットバスについて「一時的に現在の受注方法での受注見合わせ」を公表しました。「通常通り生産・出荷は継続」としつつも、「一部の部材不足」により新規注文の受付方法を見直す必要があると説明しています。単なる納期遅れではなく、「受注見合わせ」という言葉が出たことで、このニュースは一気に広がりました。

しかも、これは一社だけでは終わりません。パナソニック ハウジングソリューションズは4月14日、中東情勢の影響で「原油およびナフサをはじめとする一部原材料の調達環境」に不透明感があるとして、「一部の商品について、出荷に関する数量及び納期の調整を開始」と公表しました。LIXILでも、樹脂やアルミ、物流コストの影響を受け、価格・納期・数量などの供給条件を調整する可能性が示されています。

今回のニュースが重く受け止められた理由は、ユニットバスの受注や生産が止まると浴室工事だけでなく、現場全体の工程が崩れるからです。浴室改修は、解体、下地、設備、仕上げまで複数工程が連動します。中心になる設備の納期が読めないと、その前後の職人手配まで組み直しになります。「商品が足りない」だけでなく、「完成しない」「予定が立てられない」など、大きな不安を与える深刻な問題となっています。

ユニットバス受注停止は、なぜここまで大きな話題になったのか

※引用:TOTOホームページ「ユニットバス・システムバスの供給状況について

今回のニュースが大きな話題になったのは、TOTOの発表内容が明確だったからです。4月13日の公式発表では、「現在、通常通り生産・出荷は継続しております」と安心材料を示しながらも、「一部の部材不足」により「一時的に現在の受注方法での受注見合わせ」を行っていると説明しました。この「出荷は続くが、新規の受注方法は止まる」という状況が、現場に強い緊張感を与えました。すでに受注済みの案件は進められても、新しく相談が来た案件はその場で答えを出しにくく、納期の見通しも立たないからです。

リフォーム業界にとって、ユニットバスは金額が大きいだけの商材ではありません。工程の中心になる設備です。そこが不安定になると、浴室の案件だけでなく、営業計画、職人の段取り、月ごとの売上見込みまで揺れます。今回のニュースは、消費者向けの話題であると同時に、工務店やリフォーム会社にとっては経営上のインパクトの大きいニュースになりました。

しかも、業界内では「浴室だけの問題では終わらないのではないか」という見方が強まりました。LIXIL関連の整理記事でも、石油由来原材料やアルミ材、物流コスト上昇を背景に、価格・納期・数量の調整可能性が紹介されています。ここで重要なのは、問題の中心が完成品の浴室そのものではなく、その背後にある樹脂、副資材、物流まで含んでいることです。現場の不安はますます大きくなっているのが現状です。

リフォーム業界が本当に不安を感じているのは一時的な品薄より「先が読めないこと」

※引用:朝日新聞「LIXILのユニットバスに注文殺到、納期「未定」に 中東情勢受け」

現場が本当に困るのは、商品の流通が滞るということより、「いつ入るのか」「いくらになるのか」がまったく読めないことです。TOTOは4月13日に受注見合わせを案内した一方で、4月15日には4月20日から段階的に新規受注再開の準備を進めると公表しました。これは前向きな材料です。ただ、裏を返すと、数日の間に状況が大きく変わるほど、現場の判断が難しいということでもあります。これは株価などのマーケットの動きの影響を受け手の発表である可能性もあり、実際20日以降も納期の見込みが必ず立つ条項になるとは断定できないのです。
案件を抱える側からすると、先の未来が読めないという状態がいちばん怖いのです。

納期が読めないと、工事の予定だけでなく営業の組み立ても崩れます。ユニットバス交換は、現場調査をして、見積もりを出して、契約し、解体日と施工日を押さえ、最後に引き渡しまで進める工事です。ところが中心設備の納期が未定になると、その前後の段取りですべてがストップします。現場では「商品がない」「予定が組めない」という深刻打撃を受け続けます。

価格面の不安も同じです。供給不安が出ると、事業者は見積もりを出す時点で慎重になります。実際、業界内では見積書の有効期限を短くする動きも出ています。背景にあるのは、原材料や副資材、物流の条件が短期間で変わるかもしれないという警戒です。施主から見ると、以前より見積もりが厳しくなったように見えても、現場は「今出した金額が来月も成り立つか」が読みにくい状況に置かれています。

さらに厄介なのが、ニュースが新たな混乱を呼ぶことです。パナソニック ハウジングソリューションズは「通常時を上回る受注」を受けて調整を始めたと説明しました。つまり、不安を感じた市場が前倒し発注を増やすと、それ自体が供給の目詰まりを強める可能性があります。リフォーム業界の不安は、原材料不足だけではありません。「不安だから急ぐ」が広がることで、さらに先が読めなくなる。この循環こそが、いま現場を苦しくしています。

そもそもナフサとは何か。なぜ浴室や建材まで影響するのか

※引用:経済産業省「ナフサについて」

結論から言うと、ナフサは石油化学の基礎原料です。ユニットバス本体だけでなく、樹脂、接着剤、塗料、フィルムなどの上流にあるため、ひとたび供給不安が起きると、住宅設備だけでなく建材や副資材にも影響が広がりやすくなります。

経済産業省の資料では、ナフサは「原油を精製して作られる石油製品の一種」とされ、これを分解してエチレンやプロピレンなどの基礎化学品をつくり、その先でプラスチック製品、ゴム、塗料、溶剤などが生産されると説明されています。つまり、ナフサは住宅設備の完成品そのものではなく、その材料や副資材を支える「元の元」に近い存在です。浴室、内装、建材まで話が広がるのは、ナフサがこの上流にあるからです。

今回のニュースでも、その構図ははっきり見えています。報道機関ではTOTOの受注停止について、壁や天井などに使われるフィルム接着剤やコーティング剤に含まれる有機溶剤の原料であるナフサの調達が不安定になっている影響だと報じました。ここで重要なのは、「浴室本体が足りない」のではなく、その周辺で使う接着剤やコーティング材といった部材が詰まることで、結果としてユニットバス全体の受注に影響が出ている点です。

工場が完全停止しているわけではなくても、必要な部材が一部でも欠ければ、新規案件の受注は止まらざるをえない。ユニットバスのように部材点数が多く、工程の連動が強い商材ほど、その影響が表に出やすくなります。

しかも、ナフサの影響は浴室だけで終わりません。石油由来の原材料である樹脂の供給制限やコスト上昇に加え、アルミニウムや物流・生産コストの上昇が避けられず、今後さらに深刻化する懸念があります。ここから見えてくるのは、今回の問題が「ユニットバスという一商品」の問題ではなく、住宅設備や建材を支える素材全体の不安定さだということです。

国の資料でも、ナフサの調達は中東だけに依存しているわけではないものの、2024年の調達元は中東44.6%、国産39.4%、その他輸入16.0%とされており、国際情勢の不安定さが大きく影響しています。経済産業省は、中東以外からの輸入拡大や国内精製によって安定供給に向けた取組を進めるとしていますが、現場レベルでは商品ごと、部材ごとに影響の濃淡が出やすい状態です。全体として原料確保に動けても、特定の接着剤や副資材が詰まれば、個別の工事は止まり得ます。

今後のリフォーム業界はどうなるのか。将来的な不安要素を整理する

今後の焦点は「受注停止は完全解除されているか」「いつから安定供給されるのか」だけではありません。むしろ問題は、価格、納期、供給の偏りがどこまで続くのか、そしてそれが事業運営にどう跳ね返るのかです。リフォーム業界にとっては、今回のニュースは一時的な混乱ではなく、事業の安定性を考え直すきっかけになっています。

まず不安なのは、納期の不安定さがまだ完全には収まっていないことです。TOTOは4月15日に、4月20日から段階的に新規受注を再開する準備を進めると案内しました。これは前向きな動きです。ただし、発表上も「段階的に」と言及されていることから、従来通りの納品がされる見込みは立たない状況であることも意味しています。現場にとっては、再開のニュースがあっても「すぐ元通りになる」とは言い切れません。案件ごとに納期確認が必要な状態は、しばらく続くと見たほうが自然です。

次に重いのが価格です。LIXILはすでに、今後の情勢変化に伴い供給条件である「価格・納期・数量等」を調整する可能性があると公表しています。国土交通省も、価格等に影響が生じる可能性がある場合は、できるだけ早く建築主に状況と見通しを説明するよう求めています。つまり、今後のリフォーム現場では「材料が入るか」だけでなく、「この見積もりがいつまで成り立つか」を常に意識しなければならない局面が増えます。

今後は、影響範囲がじわじわ広がる可能性にも注意が必要です。今回もっとも目立ったのはユニットバスですが、樹脂だけでなくアルミ、物流、生産コストまで論点が広がっています。国土交通省も、住宅建材・設備の変更が必要になった場合の対応を周知しており、これは「当初予定のまま進まない案件」が出ることを前提にした動きです。ひとつの設備の受注停止が解除されても、周辺の副資材や仕上げ材まで含めると、当面は不安定さが残る可能性があります。

現在、政府では、中東情勢における関係閣僚会議の下に中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォースを設置し、現下のイラン情勢の中で国民の命と暮らしを守るべく、関係行政機関が緊密に連携し、石油製品・関連製品を含む重要物資の安定供給等を図っているところです。
住宅分野に関しては、国土交通省において、経済産業省及び林野庁との連携・協力を通じて、住宅建材・設備の供給状況に係る情報の収集と共有を図るとともに、流通過程での目詰まりの解消に努めています。あわせて、建材等の変更に伴う計画変更の手続きの円滑化のため、各都道府県の建築行政主務部長等に対して、建築基準法に基づく完了検査の柔軟な運用等の周知等を行っているところです。

※引用:国土交通省「中東情勢等を踏まえた対応について」

もっとも、見通しが暗い材料だけではありません。経済産業省は、ポリエチレンなど川下製品の在庫が国内需要の約2か月分あり、中東以外からの輸入拡大や国内精製によって安定供給に向けた取組を進めていると説明しています。つまり、国全体としては「何も打つ手がない」状態ではありません。ただ、全体供給の安定化するかというと、あまり楽観視できる状況ではないでしょう。国の発表はあくまで希望的観測に過ぎず、原料面の対策が進んでも、個別商材の調整はしばらく続く。その前提で事業を考える必要があります。

不安定な時代に、リフォーム会社の果たす役割とは

これからのリフォーム業界では、大型設備の交換だけに依存しないビジネスモデルを持つことが強みになります。理由はシンプルで、外部環境が揺れたときほど、部材点数が多く、納期調整が難しい工事ほど影響を受けやすいからです。

今回のユニットバス受注停止でも見えたのは、その構造でした。設備ひとつの問題に見えても、実際は接着剤やコーティング材、物流まで含めて影響が広がります。大型案件は単価が大きい反面、ひとつ止まると工程全体が止まりやすい。売上への影響も大きくなります。

その一方で、比較的短工期で進めやすく、生活上の必要性がはっきりしている工事は、こうした混乱の中でも相談につながりやすい傾向があります。もちろん影響がまったくないわけではありませんが、大型設備交換に比べると、受注から施工までの見通しは立てやすくなります。

つまり今後のリフォーム会社に求められるのは、「単価の大きい仕事を取ること」だけではありません。外部環境が不安定でも受けやすい仕事を持っているかどうかが、事業の安定性を左右します。

リフォームが不安定な時代、一つの答えが介護リフォームという領域

不安定な時代でも比較的取り組みやすい仕事の一つが、介護リフォームです。ここでいう介護リフォームとは、高齢者や要介護者が自宅で安全に暮らすための改修のことで、手すり設置、段差解消、出入口まわりの改善などが中心です。ユニットバス交換のような大型設備工事とは違い、小規模で必要性が明確な相談が多い点に特徴があります。

介護リフォームが比較的安定しやすい理由は、生活上の困りごとに直結しているからです。たとえば「立ち上がるときに不安がある」「浴室の出入りでつまずきやすい」「トイレまでの移動が危ない」といった課題は、景気や設備トレンドとは別に発生します。工事の規模は小さくても、本人や家族にとっては後回しにしにくい内容です。

加えて、工期が短く、工程が組みやすい点も大きな違いです。大型設備交換は、製品の納期が動くと現場全体が止まりやすくなります。一方で、手すり設置や段差解消のような工事は、比較的シンプルな内容で進めやすく、相談から施工までの流れを作りやすい仕事です。ニュースで大きく報じられたユニットバスの受注見合わせと比べると、工事の性質そのものが異なります。

もちろん、介護リフォームが完全に無関係というわけではありません。たとえば浴室で使う樹脂製の手すりなど、一部部材は今後の原材料や副資材の動向によって、納期や価格に影響が出る可能性があります。ただ、大型設備一式の交換に比べると、工事全体がストップするような構造ではありません。

また、その部材・工事でなくても、目的はその家で暮らす方が安全に生活できる環境を整えることです。つまり、その商品でなくとも解決できる手段を提案できることが強みなのです。たとえば、ユニットバスへの交換を希望していたものの、ユニットバスの発注ができない状況になったとしても、入浴するという目的を達成するためであれば代替手段の提案ができます。すのこを使うことで浴室の段差を小さくすること、バスリフトを導入することで腰かけたまま浴槽内に入浴できる環境を作ること、浴室用の床材シートを使うことで滑りにくく断熱性の高い浴室環境にすることなど、様々な手段を提案できます。
この違いは、今後の事業を考えるうえでも見逃せないポイントです。

いま求められているのは、「流行っている設備を売ること」だけではありません。外部環境が揺れたときでも、地域の暮らしに必要とされる工事を継続して受けられるかどうかです。その視点で見ると、介護リフォームは、これからのリフォーム会社が持っておきたい仕事の一つだと言えます。

これから新規参入を考えるなら、どんなリフォーム事業を選ぶべきか

これから選ぶべきなのは、一時的な需要の波に乗る仕事ではなく、地域で継続して必要とされる仕事です。外部環境が不安定なときほど、「売れそうな商材」より「相談が生まれやすい領域」を持っているかどうかが、事業の安定性を左右します。

今回のユニットバス受注停止のニュースは、その現実をはっきり示しました。設備や部材に強く依存する工事は、原材料、納期、価格の変動を受けやすく、現場の予定も売上計画も揺れやすくなります。もちろん大型案件には魅力があります。ただ、それだけに依存する事業モデルは、外部要因に振り回されやすい面もあります。

その点で、介護リフォームは考える価値のある領域です。手すり設置、段差解消、動線改善といった工事は、生活の安全に直結し、必要性がわかりやすい仕事です。工事規模は大きくなくても、地域で継続的に相談が生まれやすく、事業として積み上げやすい特徴があります。

大切なのは、「大きな工事を取れるか」だけで判断しないことです。これからは、「不安定な環境でも受けやすい工事を持てるか」「地域に必要とされる仕事を続けられるか」という視点が、独立開業や新規参入の成否を分けていきます。

介護リフォーム本舗は、まさにその視点で事業づくりを考えたい方に向いた仕組みです。介護分野の知識や営業の進め方、現場対応の考え方を学びながら、地域密着で取り組める介護リフォーム事業を形にしていくことができます。

これからの事業運営で重要なのは、流行ではなく、地域で必要とされ続ける仕事を選ぶことです。

「これから安定的に受けられるリフォーム事業を持ちたい」
「大型設備交換だけに依存しない事業モデルを考えたい」
そう考えている方は、介護リフォーム本舗の資料をご確認ください。加盟条件、研修内容、収益モデル、集客支援の全体像がわかります。今後の事業の方向性を考える材料として役立つはずです。

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