建設業を取り巻く環境は、資材高騰、人手不足、協力業者の稼働変動など、年々不確実性が増しています。災害への備えだけでなく、仕事が“突然止まらないための仕組み”を持つことが、中小建設会社にとっての重要な経営課題になっています。そこで注目されているのが、建設業におけるBCP(事業継続計画)の整備です。
建設業がBCPを必要とする理由
BCP(事業継続計画)とは、災害や事故、外部環境の変化によって事業が中断しそうになった際に、被害を最小限に抑え、事業を継続するための計画です。また、万が一業務が停止した場合でも、できるだけ早く復旧し、元の状態に戻すための手順まで含めて整理しておくことが重要です。建設業では、現場の稼働や協力業者の状況に左右されやすいため、「事業を守る仕組み」としてBCPを整えておくことが経営上欠かせません。
建設業は、外部環境の変化に影響を受けやすい業種です。資材価格の高騰や協力業者の不足に加え、自然災害による現場停止など、一つのトラブルが売上に直結しやすい構造になっています。そのため、BCPの整備は「大企業だけが取り組むもの」ではなく、中小規模の工務店やリフォーム会社にとっても避けられない経営課題といえます。

※参照:内閣府「令和5年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」
内閣府の調査(令和5年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査)では、建設業のBCP策定率は63.4%と、全業種の中でも比較的高い水準にあります。平成19年度時点では9.4%と低かった策定率は、現在では「金融・保険業」、「運輸・郵便行」に次ぐ策定率となり、事業継続への意識の高まりを感じます。
※ただ、調査全体の回収率は37%であり、BCPに関心の高い企業ほど回答に協力した可能性があるため、実際の策定率はこの数値より低い可能性があることを付記しておきます。
また、企業規模による格差も見逃せません。大企業の88.6%が「リスクを想定した経営を行っている」と回答している一方で、小規模企業では61.4%にとどまっています。建設業は中小企業が大半を占めるため、現場レベルでは「BCPの必要性は感じているが、実際には手が付いていない」という企業が少なくありません。
さらに重要なのは、BCPをまとめた書類があるだけでは、実際の事業継続力は高まらないという点です。特に建設業では、外注依存や資材不足のように、BCPのマニュアルだけでは解決できない構造的リスクが多数あります。だからこそ、建設業におけるBCPは「災害への備え」という枠にとどまらず、「仕事が止まらない環境をつくる経営の仕組み」として捉える必要があります。
建設業のBCPでまず押さえるべきポイント

建設業のBCPは、特別な仕組みを一から作り込む必要はありません。大切なのは「どこが止まると売上に直結してしまうか」を把握し、その部分だけを優先的に守ることです。BCPは会社全体のマニュアルではなく、経営にとって重要な部分だけをシンプルにまとめる方が、実際に機能しやすくなります。
まず取り組みたいのは、事業の中で「止めてはいけない業務」を明確にすることです。例えば、見積り対応、現場管理、資材の手配、請求・入金管理といった業務は、どれかが止まるとすぐに資金繰りに影響します。こうした重要業務が中断しないよう、代替手段や最低限の対応方法を整理しておくことが、建設業のBCPの基本になります。
次に、「誰が対応するか」を決めておくことも重要です。小規模な工務店では、人が欠けると現場や管理業務が滞りやすいため、特定の作業が一人に集中しないよう、最低限の引き継ぎ方法を用意しておくことが“早期復旧”につながります。
また、協力業者や仕入れ先との連携も見直す必要があります。建設業は外部パートナーに依存する度合いが大きく、どこか一社が止まるだけで現場が動けなくなるケースが少なくありません。複数の仕入れ先を確保しておく、作業内容によっては自社で対応できる範囲を広げておくなど、外部依存を減らす工夫がBCPの強化につながります。
こうした取り組みは、複雑に見えて実は「重要な業務を止めず、止まってもすぐ戻せるようにする」というシンプルな考え方に基づいています。建設業ではこの考え方を軸に置けば、無理のない形でBCPを整理することができます。
BCPの一環として注目される「安定収益の確保」

BCPというと、災害時の対応マニュアルを思い浮かべる方も多いですが、建設業においては「収益を安定させること」も重要な位置づけになります。現場が止まる、協力業者が動けない、資材が入らないといった状況が起きたとき、事業を継続できるかどうかは「売上の柱がどれだけ維持できるか」に左右されるためです。
特に小規模の建設会社では、外部環境の変化が利益に直接響きやすく、大口案件の延期や資材高騰が重なるだけで資金繰りが不安定になるケースも珍しくありません。これは「BCPを作れば解決する」ものではなく、事業構造そのものに依存しています。
そのため、BCPを経営視点で捉える場合、
「外部の状況に左右されにくい仕事を持つこと」
が1つの重要な対策になります。
例えば、外注に頼らず自社で完結しやすい工事、短期間で仕上げられる工事、景気の影響が少ない工事など、止まりにくい収益源を1つ持つだけでも、事業の継続性は大きく変わります。万が一、主力の現場がストップしても、別の柱で最低限の売上を確保できれば、経営を立て直す時間が生まれ、BCPの「早期復旧」に直結します。
BCPは、紙の計画だけで会社を守れるものではありません。
“止まりにくい収益源”を増やすことも、立派なBCPの一部です。
建設業にとってこの発想は特に重要で、外部リスクの影響を受けやすい構造だからこそ、安定した収益の柱を持つことが、結果として事業継続力を高めるポイントになります。
介護リフォームは建設業のBCPを変える
建設業がBCPの一環として「止まりにくい収益の柱」を持つことを考えたとき、その選択肢のひとつとして注目されているのが介護リフォームです。高齢化が進む中で、手すりの設置や段差解消といった小規模な工事の需要は途切れにくく、外部環境の影響を受けにくいという特徴があります。
介護リフォームが建設業と相性が良い理由は、まず「自社で完結しやすい」点にあります。大規模工事とは異なり、外注に依存せず、自社の職人やスタッフだけで対応できるケースが多いため、協力業者の稼働状況や資材供給に左右されにくい強みがあります。外注先が動けない状況でも、自社だけで仕事を続けられる点は、BCPの「継続」と「早期復旧」の両方につながります。
また、介護リフォームの仕事は1件あたりの期間が短く、急な予定変更にも対応しやすいため、主力の現場が止まってしまったときの「収益の補填」としても機能します。売上の波が大きい建設業では、小さくても安定した依頼が継続的に入ることが、経営を守るうえで大きな助けになります。
さらに、介護保険制度が利用できるため、景気の影響を受けにくく、地域の高齢者支援につながる点も特徴です。住まいの安全に関わる小規模改修の依頼は、災害時や非常時にも必要とされることが多く、一般のリフォームよりも「止まりにくい仕事」として機能します。
建設業にとって介護リフォームは、特別な新規事業というよりも、既存の施工スキルをそのまま活かしながら始められる「外部リスクに強い収益の柱」です。これが結果として、BCPの強化にもつながっていきます。
建設業の事業継続力を高める選択肢としての「介護リフォーム本舗」

介護リフォームは、建設業のBCPとして機能しやすい事業ですが、実際に始めようとすると、介護保険制度の理解や書類作成、ケアマネジャーとの連携など、専門的な対応が求められる場面も少なくありません。施工スキルはそのまま活かせても、制度面や営業面でつまずき、思うように立ち上がらないケースもあります。
こうした課題を解消し、建設会社がスムーズに介護リフォーム事業へ参入できるよう整えられているのが「介護リフォーム本舗」のフランチャイズです。本部が、介護保険の住宅改修に必要な書類作成や手続きの流れを分かりやすく整備しているため、制度が複雑に感じる事業者でも取り組みやすくなっています。
また、地域のケアマネジャーとの関係構築や営業の進め方についても、具体的なサポートがあるため、ゼロから市場を開拓する必要がありません。小規模工事を中心とした仕事が安定的に発生しやすく、外部リスクに左右されにくい点は、建設業のBCPにとって大きな強みになります。
さらに、フランチャイズとして体系化されたサポートを受けられることで、業務の属人化を防ぎ、社内で複数人が対応できる体制づくりにもつながります。これは「事業が止まらない仕組み」をつくるうえで重要な要素です。
すべての介護事業者は介護保険上のルールによりBCPを全事業所で策定しています。策定率はほぼ100%です。介護リフォームで事業を行う上では、BCPに沿った対応をする事業者と一緒に動くので、介護リフォームにもBCPに沿って適切な対応が求められることも少なくないでしょう。
建設業の経営環境が不確実さを増す中で、介護リフォーム本舗のように、自社の施工スキルを活かしながら安定収益を確保できる事業を持つことは、BCPの観点からも有効な選択肢となります。もし事業の安定化や新たな収益源の確保を検討している場合、一度ご相談ください。








