地方で減っているのは「これまで通りの仕事」であり、高齢化が進む町では、住み慣れた家で暮らし続けるための住宅改修(介護リフォーム)の需要が生まれています。総務省によると過疎地域の高齢化率は約39%と全国平均より10ポイント以上高く、手すりの設置や段差解消など、地域の住宅をよく知る職人の技術が生きる仕事があります。
「この町には、もうまともな仕事が残っていない」「仕事がなければ、この土地では生活できない」。若いころは毎日のように現場を駆け回っていたのに、気づけば仕事の数は減り、単価は下がり、体力も落ちてきた。家族も家もこの土地にあり、都会に出る選択肢はない。そうした不安を抱えている方は少なくありません。
この記事では、「地方には仕事がない」と言われる理由と、過疎化が進む地域で求められている仕事、そこに職人として関わる働き方のヒントを紹介します。
地方に「仕事がない」と言われるのはなぜか?
人口減少と若者の流出、一次産業の後継者不足が重なり、「仕事が減る、人が出ていく、地域が弱る」という悪循環が起きているためです。
人口は減り続け、活気も失われつつある地方

「この町、昔はもっとにぎやかだった」という声は、地方では珍しくありません。総務省の資料によると、全国1,719の市町村のうち885(51.5%)が過疎地域に分類され、その面積は国土の63.2%に及びます。
一方で、過疎地域に住む人は全国の総人口のわずか9.3%(約1,166万人)にとどまります。

※総務省 地域力創造グループ過疎対策室「令和5年度版 過疎対策の現況」
町の“数”も土地の面積もあるのに、“人”は少ない。これが地方の現実です。
若者が出ていき、高齢者が多く残る地方
過疎化のもう一つの側面は、若年層の都市部への流出です。若者は進学や就職のために都会へ出ていき、戻ってこないケースが多く、地域には高齢者の割合が高い町が全国に広がっています。
総務省によれば、過疎地域の高齢化率は約39%で、全国平均(約29%)より10ポイント以上高くなっています。3人に1人以上が高齢者という状況です。過疎地域の年齢階層別人口構成比を見ても、高齢者の増加は明らかです。

※総務省 地域力創造グループ過疎対策室「令和5年度版 過疎対策の現況」
働き手が減るだけでなく、生活支援が必要な人が増えている。過疎地域では、この二重の課題が起きています。
地元の産業も、後継者不足で衰退
地方には、農業・漁業・林業などの一次産業を支える技術職や職人が多くいました。しかし、こうした産業は長時間労働で収入が安定しにくく、若い世代の後継者不足によって年々衰退が進んでいます。大きな企業が新たに進出することも少なく、地元で新たな雇用が生まれにくい状況です。
国勢調査のデータを見ると、過疎地域の就業者数は大きく減少しています。生産年齢人口の減少により非過疎地域でも就業者数は減っていますが、地方の産業を支えてきた第一次産業の減少が特に目立ちます。

※総務省 地域力創造グループ過疎対策室「令和5年度版 過疎対策の現況」
その結果、「仕事が減る、人が出ていく、地域が弱る」という悪循環に陥っているのが、過疎地域の産業構造です。労働力不足が深刻になる2040年問題が指摘されていますが、過疎地域ではそれがすでに始まっています。詳しくは2040年問題と労働人口減少のマーケット予測をご覧ください。
「まともな仕事がない」は本当か?
「まともな仕事がない」という感覚は、思い込みではなく、地方で起きている現実を反映したものです。ただし、なくなりつつあるのは“これまで通りの仕事”であり、高齢化が進む町だからこそ生まれている仕事は確かにあります。
高齢化が進む町で必要とされている仕事は何か?
急な階段や段差の多い玄関など、昔ながらの家の危険を取り除き、高齢者が自宅で暮らし続けられるようにする住宅改修(介護リフォーム)です。
高齢化が進む町に共通する“困りごと”
人が減った町でも、そこには多くの高齢者が暮らしています。そして多くの方が「できることなら、この家でずっと暮らしたい」と考えています。
しかし、実際の住まいには、次のような危険が少なくありません。
- 急な階段
- 滑りやすい浴室
- 重いドア
- 段差の多い玄関
- 和式トイレ
昔ながらの造りの家には、高齢者の身体にとって危険な場所が多くあります。日常のちょっとした不便がやがて転倒や事故を招き、入院や介護施設への入居につながるケースも少なくありません。

“家で暮らしたい”という想いをかなえる「住宅改修」
そこで求められているのが、自宅を安全に使えるようにするための住宅改修、つまり介護リフォームです。
国の制度にもこうしたニーズは反映されています。介護保険制度では、要支援・要介護認定を受けた人が手すりの設置や段差解消などの工事を行う場合に、住宅改修費が支給されます(支給限度基準額は20万円、利用者負担は1〜3割)。申請から工事完了までの進め方は、介護保険住宅改修の手順で解説しています。
この制度を活用することで、高齢者本人も家族も、「施設ではなく自宅で暮らす」という選択をしやすくなっています。
地域で求められる“職人”の新しい役割
こうした小規模なリフォームを担うのは、大手ハウスメーカーや大手工務店とは限りません。必要とされているのは、地域に住み、その土地の住宅の構造や風土をよく知る地元の職人です。
- どこに手すりをつけると動線が安全になるか
- 床を滑りにくくするにはどうしたらよいか
- 家への負担を抑えて改修するにはどこを工夫すべきか
これらは単なるリフォームではなく、“生活を守る環境”づくりです。だからこそ、現場経験を積んだ職人の技術が生きます。職人が独立して自分の仕事をつくるために必要なことは、職人が独立するために必要なことで整理しています。
「仕事がない」と言われる町でも、必要とされる仕事がある
“働き口がない”と言われる町でも、介護リフォームのニーズは静かに広がっています。それは単にお金を稼ぐための仕事ではなく、「暮らしを守るための仕事」だからです。地方で生きる人にとって、「町を離れずに働く」「誰かの役に立つ」ための新しい選択肢にもなります。
地方の職人が地元で働き続けるには、どうすればよいのか?
元請けからの仕事を待つやり方から、地域の高齢者の困りごとに直接応える仕事へと「やり方」を変えることが、一つの方法です。
地元で働き続けるには、「やり方」を変える必要がある
元請けからの依頼を受け、現場を転々とし、決まった単価でこなす。これまで何十年も続けてきた仕事のやり方は、都市部では今も通用するかもしれません。しかし、人口が減り工事の数も少なくなった地方では、「今まで通り」では仕事が減っていくのが現実です。
「このままでは続けられない。でも、今さら都会には行けない」。そう感じている職人は全国にいます。一人で始められる事業の考え方は、1人で始めるなら介護リフォームという選択肢で紹介しています。
地方に暮らす高齢者の生活に、必要な仕事がある
地方だからこそ生まれているのが、高齢者の「住み慣れた家で暮らしたい」という希望に応える仕事です。
- 「2階にはもう上がれない」
- 「お風呂で滑ってヒヤッとした」
- 「トイレが遠くて夜が怖い」
こうした日常の困りごとに対応できるのが、介護リフォームです。派手な工事ではありませんが、暮らしの負担を大きく減らせる、地方で必要とされている仕事です。
小さな工事でも、技術と経験が生きる
「たった手すり1本」「段差を少し削るだけ」と思うかもしれません。しかし、その小さな改修にこそ、職人の知恵と経験が求められます。
- どういう動線が安全か
- どんな動作に転倒のリスクがあるか
- 他の家族の生活に影響しないか
こうした判断には、地域の住宅に携わってきた職人の経験が大きく生きます。これまでの現場経験を生かしやすい分野と言えるでしょう。
営業が苦手でも、本部の支援を受ける方法がある
「自分にできるだろうか」「営業や制度のことはよく分からない」という方もいると思います。その場合は、フランチャイズ本部の支援を受ける方法があります。
- ケアマネジャーや在宅介護サービス事業者との連携ノウハウ
- 介護保険制度の仕組み
- 業務効率化のためのシステム
地域のニーズを“仕事”に変える仕組みを活用すれば、営業の経験が少なくても取り組みやすくなります。地域で依頼を安定させる集客の考え方は、リフォーム集客で依頼を安定的に増やす方法でも紹介しています。
地元の「困っている声」に応える仕事へ

地方では大きな工事は減っていくかもしれません。しかし、生活に助けを必要とする人の声は確かにあります。その声に応えられるのは、地元の住宅を知り、人々の暮らしを見てきた職人です。「地元だからできる」「地元だから必要とされる」働き方を、あらためて考えてみませんか。
都会に出なくても、地方で仕事を続けられるのか?
高齢者の住まいを支える仕事は地域の中にあり、営業や制度面は本部の支援を受けながら始める方法もあります。
「地方には、まともな仕事がない」と感じるのは無理もありません。人口は減り、若者は去り、昔のような活気は戻らないかもしれません。けれど、地域の中に目を向ければ、必要とされている仕事は確かに存在しています。
特に高齢化が進む地方では、「住み慣れた家で、できるだけ長く暮らしたい」という声が増えており、その願いをかなえるために技術を持った地元の職人の力が求められています。これまでの下請けスタイルにこだわらなくても、都市部に出ていかなくても、今いる町で自分の技術を役立てる働き方があります。
小さな一歩が、地域の未来を変える
フランチャイズ本部の支援を受けながら営業や制度面を補うことで、リスクを抑えつつ、地元に根ざした新しい仕事の形をつくることができます。介護リフォーム本舗では、地域の高齢者人口をもとに市場調査やマーケティングを行い、成長のストーリーを一緒に考えています。独立を考え始めたら、起業は何から始めるかも参考にしてください。
介護リフォームという仕事の魅力ややりがいは、「ありがとう」がもらえる介護リフォームの魅力とやりがいで紹介しています。
よくある質問
まとめ:あなたの町にも、求められる仕事がある
「このままでいいのか」「そろそろ違う道を考えたほうがいいかもしれない」と感じているなら、あなたの経験と技術はまだ必要とされています。地方にも仕事はあり、その仕事は地域の誰かの暮らしと命を支えるものです。
半数以上の高齢者は、施設や病院ではなく「最後まで自宅で暮らし続けたい」という希望を持っています。介護が必要になっても自宅を希望する高齢者が増えている背景は、高齢者はなぜ施設ではなく自宅を選ぶのかで詳しく解説しています。
今いる場所で、これからの仕事を始めてみませんか?
介護リフォーム本舗では、地元での独立を考える職人の方を支援しています。地元で続けられる仕事の選択肢の一つとして、まずは資料請求や説明会で、気になる点を確認してみてください。






