建築基準法改正でどう変わる？2025年4月以降、リフォーム業界への影響をわかりやすく解説!

「2025年4月の建築基準法改正で、これまで問題なかったリフォームが許可制になるの？」

2025年4月に建築基準法が改正されます。この法改正はリフォーム業界にも大きな影響を与えます。特に、中小規模のリフォーム会社にとっては、新しい規制に対応するための適応力が求められるでしょう。

例えば、木造2階建て住宅の大規模リフォームでは、主要構造部を変更する工事において確認申請が必要となるケースが増えるため、手続きや工期に大きな変化が生じます。また、省エネ基準の強化により、断熱リフォームなどにも新たな基準が適用されるようになります。

「リフォーム業界はどう変わるのか？」
「確認申請が必要なリフォームと不要なリフォームの違いは？」
「今後の事業戦略として何に注力すべきか？」

この記事では、2025年4月の建築基準法改正のポイントをわかりやすく解説し、リフォーム業界への影響と、リフォーム会社が取るべき具体的な対策について詳しく説明します。さらに、法改正の影響を受けにくく、安定した収益を生むリフォームについてもご紹介します。

2025年4月の法改正も含めた業界動向・トレンドについてはこちらの記事にまとめています。

法改正に適応し、2025年4月以降も安定した成長を目指すために、今こそ正しい情報を把握し、対策を立てましょう！

2025年4月の建築基準法改正とは？（法改正の概要）

なぜ改正されるのか？

2025年4月の建築基準法改正は、住宅の安全性向上と省エネルギー対策の強化を目的として行われます。
この背景には、日本が抱える「耐震性の不足」「省エネ住宅の普及の遅れ」「施工の質の確保」という課題が関係しています。
これらの課題に対応し、今後の住宅政策を推進するために、建築基準法の大幅な改正が行われることとなりました。

⏳ 過去の地震と住宅被害

日本は地震が頻発する国であり、これまでに数多くの大規模な地震が発生しています。
特に、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災では、建築物の耐震不足が原因で多くの住宅が倒壊しました。

• 阪神・淡路大震災（1995年）
  • 約24万棟の建物が全壊・半壊
  • 旧耐震基準（1981年以前）で建てられた住宅の倒壊率が高かった
  • 木造住宅の耐震性向上の必要性が強く認識される
• 東日本大震災（2011年）
  • 津波による被害が中心だったが、耐震基準を満たしていない住宅の倒壊も発生
  • 震度6以上の地震が頻発する可能性を考慮し、より強い耐震基準の整備が必要に

これらの地震の教訓を踏まえ、耐震基準の強化が求められるようになりました。
特に、1981年以前の「旧耐震基準」や、2000年以前の「現行耐震基準でも性能が不十分な住宅」に対して耐震補強の重要性が高まり、国や自治体の助成制度の拡充が進められている。

👉 国土交通省公式サイト: 耐震改修促進法の概要

🌎 日本の省エネ住宅の遅れ

日本政府は、2050年までにカーボンニュートラル（CO₂排出量実質ゼロ）を実現することを目標としています。
しかし、住宅の省エネ化に関しては、他の先進国に比べて遅れをとっているのが現状です。

• 欧州諸国（ドイツ・フランスなど）
  • 住宅の断熱性能基準が厳格
  • 「ZEH（ゼロエネルギーハウス）」が一般的
  • 省エネ住宅の普及率が高い
• 日本
  • 住宅の約40％が2000年以前の基準で建てられたもの
  • 断熱性能が低く、エネルギー消費が多い
  • 住宅全体の省エネ化が急務

🛠 省エネ基準の強化

これらの課題を解決するため、リフォーム時にも省エネ基準を適用し、住宅の断熱性能やエネルギー効率を向上させる必要があると判断されました。

👉 国土交通省参考資料：住宅省エネリフォーム補助金制度

🏠 施工不良のリスク

近年、リフォーム市場の拡大に伴い、「手抜き工事」や「違法リフォーム」が問題視されています。
特に、建築確認が不要な小規模リフォームにおいて、
耐震性や省エネ性能を無視した施工が行われるケースが増えています。

🔍 建築確認申請の厳格化

こうした問題を解決するために、建築確認申請の対象を拡大し、施工の安全性を確保する方向となりました。
特に、「4号特例」の縮小により、これまで確認申請が不要だった小規模住宅のリフォームにも
審査や手続きが義務付けられるケースが増えることになります。

建築基準法、2025年4月の改正ポイント

2025年4月の建築基準法改正は、住宅の耐震性能向上、省エネルギー化の推進、施工の質の確保を目的として実施されます。
この改正により、リフォーム業界では建築確認申請が必要な範囲の拡大、省エネ基準の適用強化、構造変更に関わる手続きの厳格化といった大きな変更が生じます。

これらの変更により、リフォーム会社にとっては手続きや設計コストの増加という負担が発生する一方で、
耐震補強や省エネリフォームの需要増加という新たな市場機会も生まれる可能性があります。

本セクションでは、それぞれの改正内容とリフォーム業界への影響を詳しく解説していきます。

1. 4号特例の縮小（実質的な廃止）

「4号特例」は、小規模な建築物（主に木造住宅）の建築確認審査を簡略化する制度です。
1983年に導入され、住宅の建築確認申請における審査負担を軽減する目的で運用されてきました。

これにより、2階建て以下・延べ面積500㎡以下の木造建築物は、
建築確認申請の際に耐震設計や構造図書（構造計算書など）の提出を省略できるというメリットがありました。

その結果、リフォーム市場においても手続きが簡素化されるケースが多く、業者や施主の裁量で工事が進められることが一般的でした。
しかし、耐震性の確保や施工の適正化の観点から、特例の範囲を縮小することが決定されました。

改正内容

2025年4月以降、4号特例の対象は大幅に縮小されます。
これまで特例対象だった木造2階建て住宅が、新たに「新2号建築物」として扱われるようになり、建築確認申請時に構造図書の提出が必須となります。

改正前後の比較

リフォーム業界への影響

この改正により、木造2階建て住宅のリフォームにおいて、建築確認申請が必要なケースが増加します。
特に、耐震補強や間取り変更などの大規模リフォームでは、建築士の関与が増え、設計コストや手続きの負担が大きくなることが予想されます。

さらに、確認申請が必要になることで、リフォームの着工までの期間が長くなり、スケジュール管理の難易度が上がる可能性があります。
一方で、施工の質が向上し、違法・手抜き工事のリスクが減少するというメリットもあります。

👉 参考資料：建築基準法改正「4号特例が変わります」（国土交通省）

2. 省エネ基準の適用強化（リフォームにも適用）

リフォームにおいても、省エネ基準を満たすことが義務化され、断熱改修や設備更新時に高性能な建材や省エネ設備の使用が求められるようになります。

主な適用対象は以下の通りです：

• 外壁・屋根・床のリフォーム時の断熱材使用
• 窓の交換・二重窓化による断熱性能向上
• エコジョーズ・エコキュートなどの高効率給湯器の導入
• 高効率換気システム・太陽光発電の導入

リフォーム業界への影響

今回の改正によって、省エネリフォームの需要が増加すると見られますが、一方で施工コストの上昇や手続きの厳格化といった課題もあります。

補助金の活用

政府は、省エネリフォームの促進のために補助金制度を拡充しており、補助金を活用すればコスト負担を軽減可能です。
リフォーム会社としては、補助金活用の提案力を強化することが、受注増加のカギとなるでしょう。

👉 参考資料：住宅省エネリフォーム補助金制度

3. 大規模修繕・模様替えの確認申請

これまで、大規模な増改築を伴わないリフォームについては、建築確認申請が不要とされていました。
しかし、リフォーム市場の拡大に伴い、無許可の違法リフォームや施工不良が問題視されるケースが増えてきました。

特に、耐震性を無視した間取り変更や、構造安全性を考慮しない大規模改修が発生しており、その結果、リフォーム後の建物の安全性が確保されていないという問題が浮上しています。

そこで、今回の改正では、主要構造部（柱・梁・床・屋根など）に関わる間取り変更や耐震補強は、確認申請が必要になるケースが増えます。

改正内容

改正後は、「大規模修繕・模様替え」の定義が変更され、間取り変更や耐震補強を含むリフォームは確認申請の対象となります。

改正前後の比較

リフォーム業界への影響

この改正により、以下のような影響が予想されます。

👉 参考資料：国土交通省 建築基準法改正資料

改正内容のまとめ

2025年4月の建築基準法改正により、リフォーム業界では確認申請の厳格化、省エネ基準の適用、大規模修繕の審査強化が進みます。
今後は、リフォーム業者もこれらの改正に対応するため、技術習得や申請手続きの効率化を進めることが求められます。

中小リフォーム会社への影響と課題

2025年4月の建築基準法改正により、リフォーム業界、とりわけ中小規模のリフォーム会社には大きな影響が及ぶことが予想されます。
特に、確認申請手続きの増加、省エネ基準適合の義務化、構造設計の見直しといった課題に対応する必要が生じるため、
今後の事業運営において慎重な準備と対応が求められます。

確認申請手続きの増加

これまで、4号特例の対象だった小規模な木造住宅は、建築確認申請の際に構造審査が省略されていました。
しかし、今回の改正により、木造2階建ての住宅が新たに「新2号建築物」として分類され、確認申請の際に構造図書の提出が必須となります。

これにより、中小リフォーム会社は以下のような影響を受ける可能性があります。

• 建築確認申請の手続きが増加し、業務負担が増える
• 申請に必要な書類の準備が煩雑化し、手続きに要する時間が長くなる
• 行政手続きの遅れが工期の長期化につながる可能性

特に、耐震補強を含む大規模なリフォームを行う場合、従来よりも確認申請のハードルが上がるため、慎重な設計と事前準備が不可欠となります。

省エネ基準適合のための対応

2025年4月の改正では、新築住宅だけでなく、リフォーム時にも省エネ基準の適合が求められるようになります。
これにより、リフォーム業者は設計段階から省エネ性能を考慮し、適切な対応を取る必要が生じます。

具体的には、以下のような影響が考えられます。

• 断熱改修や高効率設備の導入が義務化されるケースが増える
• 補助金や税制優遇を活用しないと、コスト負担が大きくなる
• 省エネ性能を証明する書類の作成が求められ、事務作業が増加する

中小リフォーム会社にとっては、省エネリフォームの知識や技術力が問われる時代へと移行することになります。
特に、省エネ基準を満たした建材や設備の選定、施工方法の習得が事業の競争力を左右することになるでしょう。

👉 対応策として、国や自治体の補助金制度を積極的に活用することで、コスト負担を軽減しながら省エネリフォームを推進することが重要です。

構造設計の見直し

今回の改正では、壁量計算や柱の小径に関する基準の見直しも行われるため、
リフォーム業者は従来の設計手法を見直し、新たな基準に適合した施工を行うことが求められます。

特に、地震や風圧などの外力に対する安全性の確保がより厳格化されるため、
以下のような課題に対応する必要があります。

• 壁量計算の見直しにより、リフォーム時に追加補強が必要になるケースが増える
• 柱や梁の最小寸法が変更されるため、既存の設計がそのまま使えない可能性がある
• 建築士や構造設計者との連携がこれまで以上に重要になる

これにより、リフォーム会社は設計の知識を強化し、適切な構造補強を行うための体制を整えることが求められます。
特に、耐震補強を伴うリフォームでは、新たな基準に適合した設計を行わなければならず、施工前の計画段階での検討がより慎重に行われる必要があるでしょう。

2025年4月の建築基準法改正により、中小リフォーム会社は以下の3つの課題に直面する可能性があります。

この改正に適応するためには、リフォーム会社は新たな法規制に対応するための知識を深め、施工体制を強化する必要があります。
また、補助金や税制優遇を活用しながら、施主にとってメリットのある提案を行うことが重要です。

リフォーム会社の行う法改正対策

2025年4月の建築基準法改正により、リフォーム業界では手続きの増加や施工基準の厳格化が進みます。
これに対応するため、リフォーム会社は業務の効率化を図りながら、新たな市場環境に適応する準備を進める必要があります。
特に、以下の4つのポイントに注目し、適切な対応を行うことが重要です。

1. 確認申請が必要な工事と不要な工事の明確化

改正後は、建築確認申請が必要なリフォームが増えるため、事前にどの工事に申請が必要なのかを明確に把握することが重要になります。
例えば、構造に関わる大規模なリフォームは申請が必要になり、軽微な改修はこれまで通り不要です。

この違いをしっかり整理し、施主への説明や施工計画をスムーズに進めることがポイントとなります。

2. 建築士・外部パートナーとの連携強化

確認申請が必要な案件では、建築士の関与が増えるため、適切な連携が求められます。
自社で建築士を確保することが難しい場合は、外部の設計事務所や建築士との提携を進めることで、スムーズな対応が可能になります。

また、耐震補強や省エネリフォームの増加に伴い、施工業者や資材メーカーとの協力体制を強化することも重要です。

3. デジタルツールを活用し、業務の効率化

法改正後は、確認申請の手続きが増えるため、業務負担の軽減が課題となります。
そこで、デジタルツールを活用し、申請や設計業務の効率化を図ることが有効です。

例えば、オンラインでの申請手続きや、施工計画のデジタル化を進めることで、業務のスムーズな進行が期待できます。
また、自治体が提供する電子申請サービスを活用し、事務手続きを簡略化することも、工期短縮につながるでしょう。

4. 省エネリフォームの知識を強化し、補助金制度を活用

改正後は、リフォーム時にも省エネ基準が適用されるため、高性能な建材や設備の使用が求められるようになります。
この変化をビジネスチャンスと捉え、省エネリフォームの知識を深め、補助金制度を活用した提案ができる体制を整えることが重要です。

特に、国や自治体の補助金制度を活用することで、施主の負担を軽減しながら受注の増加を図ることが可能になります。
これにより、コスト面での不安を和らげながら、省エネリフォームを積極的に提案できる環境を整えることが求められます。

2025年4月の建築基準法改正に対応するため、リフォーム会社は以下のポイントを押さえて準備を進める必要があります。

• 確認申請が必要な工事と不要な工事を把握し、施主へ適切に説明する
• 建築士や外部パートナーとの連携を強化し、スムーズな業務体制を構築する
• デジタルツールを活用し、確認申請や施工管理の効率化を図る
• 省エネリフォームの知識を強化し、補助金制度を活用して市場の変化に対応する

法改正による変化を受け入れ、適切な準備と対策を講じることで、リフォーム業界の新たなニーズに対応し、競争力を強化することが可能です。

介護リフォームは安定した利益を生む戦略的選択

2025年4月の建築基準法改正により、確認申請の必要なリフォームが増え、業務の手続きが煩雑化する一方で、規制の影響を受けにくい分野も存在します。
その一つが介護リフォームであり、今後の市場拡大を見据えたリフォーム会社にとって、安定した利益を生む戦略的な選択肢となり得ます。

1. 介護リフォームは建築基準法改正の影響を受けにくい

今回の法改正では、間取り変更や耐震補強を伴うリフォームは建築確認申請が必要となるため、手続きの増加やコストの上昇が避けられません。
しかし、介護リフォームの多くは「確認申請不要」の範囲に収まるため、手続きの負担が少なく、スムーズに施工が可能です。介護保険で定める住宅改修の項目に関してみても、影響を受ける項目はごく限定的です（大規模な間取り変更を伴う場合は確認申請が必要になるケースもあります）。

このように、介護リフォームは建築基準法改正の影響をほとんど受けず、今後も安定した受注が見込める分野です。

2. 介護リフォーム市場は拡大し続ける

日本は急速に高齢化が進んでおり、高齢者が住みやすい住宅のニーズが年々高まっています。
国土交通省のデータによると、2025年には日本の高齢者人口（65歳以上）は3,600万人を超え、全人口の約30％を占める見込みです。
これに伴い、介護リフォームの需要も増加しており、リフォーム業界にとっては今後の成長分野となります。

介護リフォームを専門的に手がけることで、安定した需要に対応しながら、他のリフォーム分野との差別化を図ることが可能です。

3. 介護リフォームは利益率が高い

介護リフォームは、比較的小規模な工事が多く、初期投資が少なくても事業展開が可能な点がメリットです。
また、補助金制度の活用によって、施主の費用負担を抑えながら受注につなげることができるため、安定した利益確保が可能です。

これにより、少ないリソースで安定した利益を生むことができるため、中小リフォーム会社にとって魅力的な市場といえます。

介護リフォームに興味がある方はこちらからお問い合わせください。

4. 「介護リフォーム本舗」フランチャイズで低コスト・低リスクで事業拡大

介護リフォーム市場に参入する際、新規事業として立ち上げるにはノウハウの習得やマーケティングの課題がつきまといます。
そこで、「介護リフォーム本舗」のフランチャイズを活用することで、低コスト・低リスクで事業拡大が可能になります。

特に、介護リフォームは今回の建築基準法改正の影響を受けることが少なく、スムーズに事業を展開しやすい分野です。
建築基準法改正後のリフォーム業界で、新たな成長戦略を考えるなら、介護リフォームの導入を検討する価値は大いにあるでしょう。

まとめ

2025年4月の建築基準法改正により、確認申請の範囲拡大、省エネ基準の適用、大規模修繕の審査強化が進み、リフォーム業界は新たな対応を求められます。
特に、中小リフォーム会社にとっては手続きの増加やコスト負担の上昇が課題となるため、建築士との連携強化やデジタルツールの活用、補助金制度の活用が重要になります。

一方で、介護リフォームは建築基準法改正の影響を受けにくく、高齢化社会の進展により今後も安定した市場が見込まれます。
法改正に適応しながら、成長分野を見極め、柔軟な戦略を立てることがリフォーム業界での生き残りの鍵となるでしょう。