リフォーム業界の現状と2026年に向けた変化
2026年以降のリフォーム業界は「市場拡大」と「ルール厳格化」が同時に進み、社会の変化に対応できる事業者ほど成長しやすい構造になっています。
2026年以降のリフォーム業界は、既存住宅の老朽化を背景に需要が安定して続く一方、2025年4月の建築基準法改正(4号特例の縮小)や省エネ基準の強化で、大規模リフォームの手続きと専門性のハードルが上がっています。その中で伸びるのは、確認申請が不要な手すり設置・段差解消などの小規模工事、省エネ改修、高齢化に伴う介護リフォームです。
リフォーム市場は2023年時点で約6兆円規模(矢野経済研究所)とされ、特に押さえたいのは次の3点です。
- 大規模リフォームは手続きが厳格化
- 小規模リフォーム(手すり・段差解消など)の需要が増加
- 高齢化により介護リフォームの市場が拡大
難易度は上がっても、狙う領域を選べば参入の機会はむしろ増えているというのが現在の構造です。
2026年に向けた制度改定や国土交通省の概算要求などの方向性は、2026年のリフォーム業界のトレンドでまとめていますので、あわせてご参照ください。

リフォーム市場の規模と今後の見通しは?
新築住宅が縮小する一方、既存住宅ストックの老朽化と「中古住宅+リフォーム」の広がりにより、需要は安定して続くと見られています。
1-1. リフォーム市場の規模と成長予測
押さえたいポイントは、「新築住宅着工件数の減少」「築30年以上の住宅の増加」「高齢化による住環境見直しのニーズ」の3点です。
2023年のリフォーム市場規模は約6兆円(矢野経済研究所調べ)で、前年比5%の成長でした。国土交通省のデータによると、日本の住宅ストックは約6,500万戸に達し、その約40%が築30年以上の住宅です。こうした既存住宅のリフォーム需要は年々増えており、今後も業界の拡大を後押しすると予測されています。地域ごとの違いも含めた市場の推移は、住宅リフォーム市場規模の推移と地域差で詳しく解説しています。

また、2025年以降は「新築住宅の減少」と「中古住宅+リフォーム市場の拡大」という2つの流れがより顕著になっています。少子高齢化で新築需要が縮小する一方、政府は中古住宅の流通促進策を打ち出しており、「買ってリフォームする」選択肢が一般化しつつあります。リフォーム費用を住宅ローンに組み込める「リノベーション住宅ローン」の普及も、中古住宅リフォーム市場を広げる要因です。
1-2. 今後のリフォーム市場の主要トレンド
2025年以降のリフォーム市場では、次の4つのトレンドが成長を支えると考えられます。

- 中古住宅+リフォームの拡大:空き家対策や中古住宅市場の活性化により、中古住宅を購入してリフォームする動きが増えています。「安心R住宅」制度や、購入費とリフォーム費用を一体化できるローンの普及が流れを後押ししています。
- 省エネ・ZEHリフォームの需要増加:政府がZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及を目標に掲げる中、既存住宅の省エネリフォームのニーズが高まっています。断熱性能の向上や太陽光発電・蓄電池の導入が重要な分野になっていくでしょう。
- 介護・バリアフリーリフォームの拡大:2025年に団塊の世代がすべて75歳以上となり、高齢者向けのバリアフリーリフォームのニーズは一層高まると見られます。介護保険の住宅改修費支給(上限20万円)の活用も進み、小規模な介護リフォームが市場をけん引する可能性があります。
- デジタル化・スマートホーム化リフォームの増加:スマートロックや遠隔操作できるエアコン・照明、転倒検知センサーなど、高齢者や共働き世帯向けに安全・快適な住環境をつくるリフォームが増えています。
これらのトレンドから、リフォーム業界は今後も成長を続ける可能性が高いといえます。ただし、その背景には法改正や制度変更が密接に関わっています。
2025年の法改正でリフォーム業界の何が変わったのか?
4号特例の縮小で木造戸建ての大規模なリフォームに建築確認が必要になるケースが増え、省エネ基準の強化で断熱改修の需要が高まっています。中古住宅の流通促進策も含め、制度の変化を正しく理解し運用するコンプライアンスの意識が、今後の競争力を左右します。
2-1. 2025年4月施行の建築基準法改正(4号特例の縮小)
2025年4月から、建築基準法の改正により4号特例(小規模住宅の建築確認審査の簡略化)が縮小されました。これにより、木造戸建ての大規模なリフォームで、建築確認の手続きが必要になるケースが増えています。
参照:国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」

改正のポイント
- 木造2階建て住宅などで、大規模な修繕・模様替えに当たるリフォームを行う場合に建築確認が必要になる
- 間取り変更や耐震補強を伴うリフォームのハードルが上昇
- 建築士の関与が増え、工事費用や手続きの負担が増加
たとえば、壁を取り払ってリビングを広くする、浴室を拡張するといった工事は、確認申請が必要になる可能性があります。一方、手すりの設置や床の張替えなどの小規模なリフォームは影響を受けにくいとされています。
リフォーム業界への影響
- 大規模リフォーム(間取り変更、耐震補強)のコスト増加
- 手続きの煩雑化による着工までのリードタイムの長期化
- 確認申請が不要な小規模リフォーム(手すり設置・段差解消など)の需要が高まる可能性
建築基準法改正がリフォーム業界に与える影響は、建築基準法改正とリフォーム業界への影響で詳しくまとめています。
2-2. 省エネ基準の強化とZEH住宅の推進
省エネ性能の向上は、リフォーム市場の大きなトレンドです。政府はZEHの普及を目標に掲げており、リフォームでも断熱性能の向上や再生可能エネルギーの導入が進められています。

政府の省エネ施策のポイント
- 2025年以降、省エネ性能の基準が強化され、既存住宅の断熱改修が増加
- 国の住宅省エネ関連の補助事業など、補助制度によりリフォーム需要が後押しされる
- 太陽光発電・蓄電池・高性能断熱材の導入が重要な分野に
リフォーム業界への影響
- 断熱リフォームや省エネ改修の需要が増え、施工業者の対応が求められる
- 補助金を活用した省エネリフォームの提案が競争力のカギになる
- エネルギー価格の高騰を背景に、一般家庭でも省エネへの意識が高まる
2-3. 中古住宅市場活性化とリフォーム業界への影響
住宅の空き家率は年々上昇しており、総務省の2018年の調査では全国の空き家数は約849万戸、2030年には1,000万戸を超えると予測されています。この問題に対応するため、政府は中古住宅の流通を促進し、リフォーム市場の活性化を図る政策を進めています。
参照:国土交通省「我が国の住宅ストックをめぐる状況について」

中古住宅流通促進の主な施策
- 「安心R住宅」制度の普及により、中古住宅の質を示し、購入を促進
- 住宅ローン減税の適用範囲を広げ、リフォームを前提とした中古住宅購入を支援
- 空き家対策として、リノベーションを活用した再利用を促進
政府は既存住宅の有効活用に向けて、空き家の活用や中古住宅の流通促進を強化しています。たとえば住宅ローン減税の対象に中古住宅のリノベーションを含めるなど、政策面でも支援を強めています。
リフォーム業界への影響
- 「中古住宅+リフォーム」の需要増加により、リノベーション市場が拡大
- 「住みながらリフォーム」が増え、小規模な改修工事が主体になる可能性
- フルリノベーションではなく、部分改修・性能向上リフォームが主流に
これから伸びるリフォーム分野はどこか?
スマートホーム・IoT、介護・バリアフリー、空き家再生の3分野が注目されています。伸びる分野を押さえておくことで、より幅広い顧客に合った提案ができるようになります。

3-1. スマートホーム・IoTリフォームの成長
住宅のスマート化が進み、IoT技術を活用した住宅設備の導入が増えています。省エネや防犯、利便性の向上に加え、高齢者や障がい者向けのサポート機能としての需要も高まっています。
スマートホームリフォームの主な設備・技術
- スマートロック・顔認証ドア(鍵を使わずに開閉でき、防犯対策として人気)
- 音声操作・遠隔操作が可能な照明・エアコン・カーテン
- 転倒検知センサー・見守りカメラ(高齢者向け)
- エネルギーマネジメントシステム(HEMS)(電気使用量を可視化し、節約に貢献)
リフォーム業界への影響
- 「IoT機器+リフォーム」のセット提案が広がりつつある
- 防犯・高齢者見守り機能を兼ね備えたリフォームが伸びる
- IT企業や家電メーカーと連携するリフォーム業者が増える可能性
3-2. 介護リフォーム・バリアフリーリフォームの需要増
2025年に団塊の世代がすべて75歳以上となり、後期高齢者人口が増えています。それに伴い、在宅介護を支えるためのリフォーム需要が拡大していくと考えられます。
高齢化社会で注目されるリフォーム内容
- 手すり設置(玄関・廊下・浴室・トイレ)
- 段差解消・スロープ設置
- トイレ・浴室のバリアフリー化(滑りにくい床材への変更、引き戸への交換)
- ホームエレベーター・階段昇降機の設置
政府の支援策と補助金
- 介護保険の住宅改修費の支給(上限20万円)
- 各自治体のバリアフリーリフォーム補助金(対象や上限額は自治体により異なる)
- 高齢者向け住宅改修の助成制度が拡充される可能性
リフォーム業界への影響
- 小規模なバリアフリーリフォーム(手すり設置、段差解消)が主流になる
- 介護リフォーム専門の業者・フランチャイズの市場が拡大
- 介護施設の不足により、自宅での介護を支えるリフォームがより重要に
介護リフォームの市場について詳しく知りたい方は、介護リフォーム市場の現状と将来性もあわせてご覧ください。
3-3. 空き家対策とリフォーム業界の関係
空き家は増え続けており、2030年には1,000万戸を超えると予測されています。そのため、空き家をリノベーションして再活用する動きが活発になっています。
空き家対策としてのリフォームの役割
- 中古住宅の購入+リフォームを支援する政府の施策が増加
- 「リノベーション住宅ローン」の普及により、購入後のリフォームがしやすくなる
- DIY型リノベーション(セルフリフォーム)の人気も拡大
リフォーム業界への影響
- 空き家のリフォーム市場が新たな成長分野になる
- 不動産業者とリフォーム業者の連携が進み、ワンストップサービス化が進む
- 賃貸市場向けの「原状回復リフォーム」や「民泊リフォーム」の需要も高まる
原状回復と介護リフォームでは顧客や仕事の流れが大きく異なります。両者の違いは、介護リフォームFCと原状回復FCの違いで比較しています。
リフォーム業界が抱える課題は何か?
職人の高齢化による人手不足、資材費・人件費の上昇、DXの遅れが主な課題です。2025年以降は建築基準法改正や省エネ基準の強化によって、業界全体の運営や施工プロセスも大きく変わることが予想されます。

4-1. リフォーム業界の人手不足と職人の高齢化
建設業全体で職人の平均年齢は50歳を超えており、若年層の新規参入が減っていることが大きな課題です。
人手不足の現状
- 2023年時点で建設業従事者の約35%が55歳以上(国土交通省調査)
- 新規参入者が少なく、技能の継承が進まない
- 人材不足により、リフォーム工事の着工が遅れるケースも
リフォーム業界への影響
- 職人不足による工期の長期化・施工コストの上昇
- 業界全体でDX化・省力化技術の導入が急務に
- フランチャイズやパートナーシップによる技術者の確保が重要に
職人の高齢化の実態と対策は、職人の高齢化の現状と対策で詳しく解説しています。
4-2. 価格上昇とコスト管理の重要性
原材料費や人件費の上昇により、リフォーム工事全体のコストが上がっています。ウッドショック(木材価格の高騰)やエネルギー価格の上昇も影響しています。
価格上昇の要因
- 木材・鉄鋼・コンクリートなど建築資材の価格高騰
- 燃料費・電気代の上昇による施工コストの増加
- 法改正による手続きの煩雑化(設計士の関与増など)
リフォーム業界への影響
- 低価格競争ではなく、付加価値の高いリフォーム提案が求められる
- 補助金・助成金を活用し、顧客の負担軽減を図ることが重要
- 資材調達の最適化やデジタルツールの活用によるコスト管理が必要
コスト上昇が経営を圧迫する背景は、リフォーム会社の倒産が増える理由でも取り上げています。
4-3. DX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れと課題
リフォーム業界では、見積もり・施工管理・顧客対応のデジタル化が進んでいないのが現状です。職人の高齢化やアナログな業務慣習が要因として挙げられ、FAXや紙の図面を使っている企業も少なくありません。一方で、クラウド型の施工管理システムや、VRを活用したリフォーム提案を導入する企業も出てきています。AIの活用については、リフォーム業界のAI活用で詳しく紹介しています。
DX化の重要性
- オンライン見積もり・VRリフォーム提案の普及
- AIを活用したリフォームプランの提案
- 施工管理アプリによる現場の進捗管理・コスト管理の最適化
リフォーム業界への影響
- デジタル化の導入が遅れると、競争力が低下するリスクがある
- 若手技術者の採用・育成にはデジタルツールの活用が欠かせない
- フランチャイズ加盟やIT企業との連携が、DX推進のカギになる
変化の中でリフォーム事業を伸ばすには何をすべきか?
法改正と補助金制度を理解した提案、デジタル化による業務効率の向上、フランチャイズやパートナーシップによる体制強化の3つが軸になります。市場の拡大と同時に競争も激しくなっており、差別化が重要です。

5-1. 法改正・補助金制度を活用したリフォーム提案
建築基準法改正や省エネ基準の強化を理解し、適切な提案を行える事業者が市場で優位に立てます。
- 建築基準法改正に対応し、適法なリフォーム提案を行う
- 省エネリフォームの補助金を活用し、顧客負担を軽減する
- 住宅ローン減税や自治体の助成金を活用したリフォームプランを提案する
- リフォームプランと補助金情報をセットで提供する
- 法改正や補助金の情報を社内で共有し、常に最新情報を提供できる体制を整える
5-2. デジタル化・DXの導入で業務効率を向上
オンライン見積もり・VR技術・AIによる提案など、顧客体験を高める取り組みが求められています。
- VR・ARを活用した体験型のリフォーム提案
- 施工管理アプリによる業務効率化(クラウドでの現場管理)
- AIを活用した顧客対応の自動化(チャットボットなど)
デジタル化が進んでいる企業ほど、顧客獲得や業務効率化が進みやすくなります。オンライン契約やリモート相談の普及で営業の幅も広がり、進捗管理のデジタル化で無駄なコストを削減できます。
5-3. フランチャイズ・パートナーシップによる体制強化
リフォーム業界は小規模事業者が多く、職人不足や経営資源の限界が課題です。そのため、フランチャイズ加盟や業務提携による規模拡大が有効な戦略になります。
- ブランド力を活用し、集客力を高める
- 施工ノウハウの共有により、スキルアップを図る
- 資材の一括仕入れにより、コストを抑える
フランチャイズには、技術ノウハウの標準化と営業力の強化という2つのメリットがあります。加盟店が統一された施工品質を提供できれば顧客の信頼を得やすく、本部のWebマーケティングによって集客力を高めることもできます。今後は、地域密着型のリフォーム業者と大手企業の提携や、不動産会社・IT企業など異業種との連携による新たな市場も生まれていく可能性があります。
よくある質問
まとめ|今後のリフォーム業界のトレンドと展望
リフォーム業界は、法改正や市場環境の変化により大きな転換期を迎えています。成長が期待されるのは、省エネリフォーム、中古住宅+リフォーム、スマートホームリフォーム、バリアフリー・介護リフォームの各分野です。新築市場の縮小で既存住宅の改修需要が増え、法改正によって大規模リフォームよりも小規模リフォームの需要が高まる可能性があります。
一方で、建築基準法改正による手続きの煩雑化とリードタイムの長期化、職人不足と技術継承、資材費や人件費の上昇による利益率の低下といった課題もあります。これらを乗り越えるためのポイントは次のとおりです。
- 法改正を正しく理解し、適法なリフォーム提案を行う
- 省エネリフォームを推進し、補助金・税制優遇を活用する
- スマートホーム技術を取り入れ、デジタル化に対応する
- 職人の確保と育成を進め、施工力を維持・向上させる
- フランチャイズやパートナーシップを活用し、事業拡大を図る
本記事のまとめ
- 2025年の法改正(建築基準法・省エネ基準強化)で、業界構造が変化
- リフォーム市場は約6兆円規模(2023年)で、成長分野が明確に
- 職人不足・コスト上昇・低価格競争の激化が業界の課題
- DX、補助金活用、技術者確保が成功のカギ
これからのリフォーム業界では、時代の変化に適応し、法改正や新しい技術を生かしたサービスを提供することが欠かせません。
成長分野の一つである介護リフォームに関心がある方は、選択肢の一つとして、介護リフォームの全国フランチャイズ「介護リフォーム本舗」のオンライン事業説明会で、事業の内容を確認してみてください。
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